2 概要

最近、あらためてガロア理論や、アーベルによる 5 次方程式の累乗根による 不可解性について [1],[2] で勉強してみた。

通常数学科では、[1] (いや、むしろ [1] より 新しいもの) のような、体の拡大の理論と体上の自己同型群を用いた、 いわゆる現代風の「ガロア理論」でそれらを学ぶのであるが、 それだと理論は追いやすいのであるが、 あまりわかったような気にはならない。 少なくとも私には、なぜ累乗根で解が表せないのかがよくわからないまま いつのまにかそれが言えていた、という感じだった。

それに対して [2] は、 アーベルの定理をアーベルの頃の議論、すなわち体の拡大の理論や 自己同型群は用いずに、根の置換と対称式の理論によって説明するもので、 これだとアーベルの定理が成立する理屈が良くわかる。 なお、この方向での説明は、[4] にもあるし、 最近はインターネットにもそのような方向の解説がある (例えば [3] など)。

その [2] に書かれている、 アーベルの定理の証明のための重要な補題の一つが次のものである。

補題 1

なお、[2] にも書かれているが、その有理式の係数には、 定数として 1 の累乗根 (途中に出てくる累乗根と同じ巾の累乗根) も含まれる ことに注意する。

この補題 1 の証明は [2] に書かれているが、 多少わかりにくさもある。 特に最後に追加する累乗根の形は明確なのだが、 それ以外は有理式ということ以外はその形は明確ではない。 よって実際 3 次や 4 次方程式の場合に、 この補題 1 の言う根の有理式はどのようなものになって、 そこから解が得られる理由が見える形になっているのかが気になったので 少し計算してみた。

竹野茂治@新潟工科大学
2026-09-25