情報電子工学概論 1 のアンケート no.1 (06/22 2005)


目次


はじめに

1 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。

  1. コンピュータの現在の保有台数
  2. パソコンを持っている人はそれを何に使っているか、 持っていない人は欲しいと思うか、およびその理由
  3. コンピュータに関して今後どういうことを勉強したいか
  4. この講義に関して自由に
回答数は 92 名でした。

実は最初の質問の「コンピュータ」というのは多少曖昧な言葉だと思うのですが、 それに気がついた人はほとんどいなかったようで、 ほぼ全員が「パソコン」のことと判断したようでした。 次回の講義では少しその話もする予定です。


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集計結果


コンピュータの保有台数

大半の学生は、2 番目の質問との関連か、 所有する「パソコン」の台数を書いていたようです。 自分用以外に家庭用のものも書いた人がいたようですが、

で、平均 1.12 台という結果になりました。 少しずつ年毎に違いはあるようですが、過去のデータとそう違いはないようです。 過去のデータを含めて表にまとめてみます。

(単位なしの数字は人数)
2002 年2003 年2004 年2005 年
0 台 19 (20.9%)13 (14.6%)13 (20.3%)16 (17.4%)
1 台 56 (61.5%)54 (60.7%)41 (64.1%)58 (63.0%)
2 台 11 (12.9%)16 (18.0%) 5 ( 7.8%)14 (15.2%)
3 台以上 5 ( 5.5%) 6 ( 6.7%) 5 ( 7.8%) 4 ( 4.3%)
平均台数 1.02 台1.22 台1.11 台1.12 台
(cf. 2002 年度の集計結果2003 年度の集計結果2004 年度の集計結果)

0 台という学生の割合も過去のデータの真中くらい、 平均台数も真中くらいですね。 しかし、パソコンの普及台数は年々上がっているのかと思っていたのですが、 持っている人の割合を見ると 8 割前後を行ったり来たりで、 必ずしも増加しているわけではない、ということは興味深い事実だと思います。 この「8 割」というものが、 うちの学科の学生の 1 年生のある種の性質を表現しているのかもしれません。

多い台数を答えた学生は 3 台が 1 名、4 台が 2 名で、 さらに 6 台という学生も 1 名ありましたが、 6 台という学生は「パソコン」ではなくて、 正しく「コンピュータ」のことを答えていたようです。


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持っている人の使い道

パソコンを持っている人 76 名に、その使い道を聞きました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。 明確に分類できないものもありますが、適当に分類します (割合はパソコンを持っている人に対する割合)。

多かったのはインターネット、レポート作成、ゲーム、マルチメディア という結果でした。 この辺りの傾向は毎年あまり変わりませんが、 レポート作成への利用を回答している割合が高いです。 情報電子工学演習 1 のレポート作成が 学生のパソコン利用の需要をうまく引き出しているのでしょうか。 それが学生のパソコンのスキルアップにつながるといいでしょうね。

今年の特徴は、TV 関連 (4) ですね。 マルチメディアの編集は今までもありましたが、TV は初登場です。 これはパソコンや録画デッキに新たにそういう機能が搭載され、 そのデータ管理ができるようになった、ということを意味しているのでしょう。 今後ますます家電機器としてのパソコン、 また家電機器の管理機器としてのパソコンの利用法が増えていくのでしょうか。

また、回路シミュレーション (1) という回答も初めてでした。 これはかなり専門的な使い方ですね。 情報電子らしくてとてもいいんじゃないかと思います。 これ以外は、今年はそう意外な使われ方はありませんでした。

ただ、毎年感じるのですが、 情報電子工学科の学生にしては プログラミング (4)、ホームページの作成 (1)、サーバ (1) といった回答が少なかったのがやや寂しい気がします。 現在の MS-Windows だと、プログラミングやサーバ、OS の勉強などは やや難しいようにも思いますので、仕方ないかも知れませんね。 その辺りも今後考えてもらえると、と思います。

また、インターネットを利用している人のうち多くの人が

のように書いていました。 今回の講義の目的の一つが「インターネット≠ WWW」、 インターネットでは色々なことが行われていること、 などを知ってもらうことだったので、 やや残念に思いました。


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持っていない人は欲しいかどうか

パソコンを所有していない 16 名に、 パソコンが欲しいかどうか、およびその理由を上げてもらいました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。

今年は欲しいという人の理由が「色々」とか「便利そう」といった ややぼんやりしたものが多かったのが特徴だったと思います。 「レポート」という理由も、多分友人がそのように使っているから、 という理由なのでしょうから、 むしろ具体的な理由をあまり持ってはいないんだけど、 なんとなく欲しい、という理由が多いように見受けられます。

つまり、具体的にどのような使い道があるのか、 という知識をあまり持っていないようですが、 これはむしろ自然な意見だと思います。 ただ、過去の傾向と比較すると、 ある意味で高校までの情報教育の後退も意味しているような気がします。 とりあえずは、欲しいとは思わないという理由も合わせて、 大学の実習室での利用で十分なのかもしれません。


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コンピュータに関して勉強したいこと

コンピュータに関して勉強したいこと、をたずねましたが、 これも漠然としたもの、具体的なもの、色々ありました。 簡単に分類して、複数書いたものもすべて上げてみます。

多かったのは例年同様、 プログラミング、コンピュータハードウェア、ネットワーク、 パソコンに関する詳しい利用法、のようになりました。

毎年「プログラミング」を勉強したいと答える人は多いのですが (40)、 実際に自分で勉強している人は 4 名しかいなかったのは、 プログラミングを「自分で勉強してみたい」というよりも 「教えてもらって身につけたい」と考えている人が多いことを 意味しているように見えます。 もちろん、勉強しようにもどうしていいのか分からない、 という人もいるのかもしれませんが、 少しその気になって調べればその方法もわかるはずですので、 やはりプログラミングは大学で教えてもらって、 と考えている人が多いように思います。

ところが、プログラミングは座学で習って覚える、 というよりも実習で理解しながら身につける、 という性格の非常に強い分野だと思いますので、 もしプログラミングを本当に勉強したいなら、 予習のつもりで積極的に自分からどんどん勉強してみた方が いいのではないかなと考えています。

「ウィルスへの対処法」や「パワーポイントやエクセル」、 「基本的な使い方」、「実際の生活での使い方」といったものは 大学の講義としては、現在行われているコンピュータリテラシ以外には 多分あまりやらないのではないかと思います。 例えばコンピュータの専門学校ならば、 そういう科目を重点的に教えるのかも知れませんが、 大学は 4,5 年で入れ替わってしまうような表面的な技術を学ぶ場所ではなく、 それらの基盤となる技術や理論を学び、 新しい技術に対応できる本質的な知識を身につける、 または、新しいものを作るために内部構造を詳しく勉強する、 ということを主に行います。 自分でも何らかの本を読めば簡単に調べられるようなことは 大学では多分講義等はほとんどやりませんので、 必要だと感じる人は是非自分で勉強してみてください。


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講義に関して書かれていたこと

アンケートの最後に「その他 (意見、質問、不満等)」の部分に 書かれていたことを上げます。

個々の不満等の意見に関してはそれに対する回答を見てください。


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書かれていたことに対する回答


不満や要望


誤字が多少多い

そうでしたか、すみません。確認したところ、 「誰」を「唯」と書いていたそうですね。 確かにそんな気がします。 ただ、誤字を見つけたら、他の人のためにも是非その場で指摘してください。


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もう少し英文をきれいに書け

字が汚いのは申し訳ないと思います。 なるべく丁寧に書こうとは思いますが、もし読めない字があったら、 あなたが読めないということは他の人も読めない可能性がありますから、 その場で質問してください。
(2002 年度の回答をほぼ引用)


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肯定的意見


いい授業だった/わかりやすかった

確かに概論程度の話しかしてないのでわかりやすかったかもしれませんが、 「わかりやすかった」というのは、 裏返せば、内容のレベルが低かった、ということを意味していると思います。 だから、決して「いい授業」ではなかったと思います。 これ位の話に満足せず、もう少し詳しい話が知りたいと思ったら、 自分で (あるいはグループで) 本や資料を見つけて 勉強してもらいたいと思います。


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パソコンを別の角度から見ることができた

そんなものでしょうか。 あんまりそういう話はしていないような気がしますが、 むしろそういう話は第 2 回目にします。


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質問


試験は 3 人の教員の講義から出題されるのか

多分そうですが、今年は少し違うかもしれません。 後で取りまとめの先生に確認しておきますが、 試験のことは試験の前に連絡する予定です。


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作成日: 06/26 2005
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)