1 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。
実は最初の質問の「コンピュータ」というのは多少曖昧な言葉だと思うのですが、 それに気がついた人はほとんどいなかったようで、 ほぼ全員が「パソコン」のことと判断したようでした。 次回の講義では少しその話もする予定です。
大半の学生は、2 番目の質問との関連か、 所有するパソコンの台数を書いていたようです。 自分用以外に家庭用のものも書いた人がいたようですが、
中には 4 台、7 台保有しているという回答も 1 人ずつありましたが、 もしかしたら「パソコン」ではなくて「コンピュータ」のこと、 とちゃんと認識していたのかもしれません。 しかし、もしパソコンだとするとなかなかすごいですね。
パソコンを持っている人 51 名に、その使い道を聞きました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。 明確に分類できないものもありますが、適当に分類します。
親の仕事 (1) や売上伝票 (1) のようなものは、 家庭でそういう仕事を任されているんでしょうか。
ただ、昨年もそうでしたが、 情報電子工学科の学生にしては プログラミング (3)、ホームページの作成 (1) といった回答が少なかったのがやや寂しい気がしますし、 OS やサーバの勉強といった回答は今年はいませんでした。 現在の MS-Windows だと、プログラミングや OS の勉強は 難しいようにも思いますので、仕方ないかも知れませんね。 その辺りもこの講義でやや視野を広めてもらえたら、と思います。
また、インターネットを利用している人のうち 18 名は 単に「インターネット」と書いていたのですが、 多分これらは大半は WWW の利用を指すんだろうと思います。 講義の中で「インターネット≠ WWW」ということを紹介し またそう認識してもらいたかったので、やや残念な気もしました。
さて、持っている人の使い道は上記のようになりましたが、 パソコンを持っていない人に、こういうことができるんだよ、と言ってみると、 是非にでもパソコンを持ちたい、と思うようになるほど魅力的なことでしょうか。 私には、なんとなくそれほどのことでもないようにも思います。
パソコンを所有していない 13 名に、 パソコンが欲しいかどうか、およびその理由を上げてもらいました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。
大学によっては全員にパソコンを持たせて それを利用した教育を行なっているところもあるようですが、 今年の 1 年生の現在の雰囲気はそれに合った感じなのかもしれませんね。 私などは、大学の実習室のパソコンを使えば十分かな、とも思うのですが、 前期は割と講義で塞がっていることも多くて、 それも理由の一つなのかも知れませんね。
コンピュータに関して勉強したいこと、をたずねましたが、 これも漠然としたもの、具体的なもの、色々ありました。 簡単に分類して、複数書いたものもすべて上げてみます。
毎年「プログラミング」を勉強したいと答える人は多いのですが (20)、 実際に自分で勉強している人は 3 名しかいなかったのは、 プログラミングを「自分で勉強してみたい」というよりも 「教えてもらって身につけたい」と考えている人が多いことを 意味しているように見えます。 もちろん、勉強しようにもどうしていいのか分からない、 という人もいるのかもしれませんが、 少しその気になって調べればその方法もわかるはずですので、 やはりプログラミングは大学で教えてもらって、 と考えている人が多いように思います。
ところが、プログラミングは座学で習って覚える、 というよりも実習で理解しながら身につける、 という性格の非常に強い分野だと思いますので、 もしプログラミングを本当に勉強したいなら、 予習のつもりで積極的に自分からどんどん勉強してみた方が いいのではないかなと考えています。
「パソコンの進んだ利用法」というのは、 大学の講義としては、現在行われているコンピュータリテラシ以外には 多分あまりやらないのではないかと思います。 例えばコンピュータの専門学校ならば、 そういう科目を重点的に教えるのかも知れませんが、 大学は 4,5 年で入れ替わってしまうような表面的な技術を学ぶ場所ではなく、 それらの基盤となる技術や理論を学び、 新しい技術に対応できる本質的な知識を身につける、 または、新しいものを作るために内部構造を詳しく勉強する、 ということを主に行います。 自分でも何らかの本を読めば簡単に調べられるようなことは 大学では多分講義等はほとんどやりませんので自分で勉強してみてください。
アンケートの最後の項目の「この講義に関して自由に」の部分に 書かれていたことを上げます。
字が汚いのは申し訳ないと思います。
なるべく丁寧に書こうとは思いますが、もし読めない字があったら、
あなたが読めないということは他の人も読めない可能性がありますから、
その場で質問してください。
(2002 年度の回答をほぼ引用)
これ以上は私には難しいので、この程度について来てください。
理解度に個人差があるのは当然です。
それを埋めるのは我々教員ではなく、皆さんである、というのが
大学の講義
本来のスタイルです。
(2002 年度の回答をほぼ引用)
「概論」なので、これ以上詳しくはできません。それが「概論」というものです。
もっと詳しく知りたかったら自分で勉強してください
(それが概論の目的の一つです)。
(2003 年度の回答をほぼ引用)
私の講義は速い、あるいは板書が速い/多いと言われることが多いです。 私の基礎数理 I を取っている人はわかると思いますが、 実は普段の講義と同じ位か、それより遅いペースで行ないましたし、 これ位なら十分ついて来れるスピードだと思います。 よって、ある程度はこういうスタイルなんだとあきらめてもらうしかありません。
また、大学では講義で全てを理解しようというのはかなり贅沢な態度です。
大学の講義
は本来そういうものではありません。
進度は速い、演習問題はやらない、板書も多い、
そういう大学の講義スタイルに徐々に慣れるべきだろうと思いますし、
概論にはそういう目的もあるんだろうと思います。
(2002 年度の回答をほぼ引用)
私の顔が見たいんでしょうか。顔ではなく、内容を聞いてください。
黒板に向かって話すので聞きにくいのでしょうか。 ならば前の方に座ったらいかがでしょうか。
気をつけますが、見えないようなら言ってください。 または前の方に座ったらいかがでしょうか。
そう言われても答えようがありません。
講義の最初に話したように 4 限に移した理由は
私が水曜 2 限は新潟大学の非常勤に行っているからです。
よってこちらに戻って来るのはどう急いでも午後 2 時過ぎになってしまいますので
4 限で我慢してください。
(2002 年度の回答をほぼ引用)
決して内容は専門的な内容ではなかったと思いますが、 私自身、この程度の話でも良く知らない人は多分いるだろう、 と思って話をしたわけで、そういう点ではよかったかなとは思っています。
ただ、本当に興味深いと感じたならば、是非自分でその先の話を
勉強してみると良いと思います。
参考書等についてはこちら (分かりやすかった)
を参考にしてください。
(2003 年度の回答を引用)
本来情報電子の学生にとっては、これ位で勉強になった、
と言われてはいけないだろうと思います。
もし興味が出てきたなら、もう一段も二段も踏み込んで
先のことを勉強する努力をしてみたらいかがでしょう。
(2003 年度の回答をほぼ引用)
分かりやすかった、という学生が多かったのは裏返せば、 内容のレベルが低かった、ということを意味していると思います。 まあ、専門家でない私が講義しているので、仕方ないとは思いますが、 無責任なようですが、「概論」ならこれ位でもいいのかなと感じています。
これ位の話に満足せず、もう少し詳しい話が知りたいと思ったら、 自分で (あるいはグループで) 本や資料を見つけて 勉強してもらいたいと思います。
例えばインターネットの話であれば、以下の本が参考になるでしょう。
勝手が分からないので、今後は多少今回同様とはいかないかもしれませんが、 まあこんな感じでいく予定です。
詳しくは以下をご覧ください。