1 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。
実は最初の質問の「コンピュータ」というのは多少曖昧な言葉だと思うのですが、 それに気がついた人はほとんどいなかったようで、 ほぼ全員が「パソコン」のことと判断したようでした。 次回の講義では少しその話もする予定です。
1 名だけ、パソコンは 1 台だが、コンピュータなら 5 台、 と書いた学生がありましたが、大半は所有するパソコンの台数を書いていたようです。 自分用以外に家庭用のものも書いた人がいましたが、それは除き、 また上の 5 台の学生も 1 台として集計すると
家庭用のものが何台、という風に書いた人も多く、昨年との比較からも パソコンが一般的な家電製品になりつつある現状が見えるようです。
パソコンを持っている 76 名に、その使い道を聞きました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。 明確に分類できないものもありますが、適当に分類します。
また中には、小説を書くという人複数 (3) いて、 最近の学生の趣味の幅の広さのようなものを感じさせられました。
少し前は、買ったんだけど使ってない、ということが多かったパソコンですが、 最近はソフトが標準でついてきて、 またインターネットという使い道ができたために、 最近は買ったけど使っていない、という状況は減っているように思います。 それはそれなりに現在のパソコン業界の戦略が功を奏している、 と言えるのではないでしょうか。
ただ、情報電子工学科の学生にしては、プログラミング (5)、 ホームページの作成 (2)、OS やサーバの勉強 (2) といった回答が少なかったのがやや寂しい気もします。 ただ、確かに現在の MS-Windows だと、プログラミングや OS の勉強は 難しいようにも思いますので、仕方ないかも知れませんね。 その辺りもこの講義でやや視野を広めてもらえたら、と思います。
さて、持っている人の使い道は上記のようになりましたが、 パソコンを持っていない人に、こういうことができるんだよ、と言ってみると、 是非にでもパソコンを持ちたい、と思うようになるほど魅力的なことでしょうか。 私には、なんとなくそれほどのことでもないようにも思います。
パソコンを所有していない 13 名に、 パソコンが欲しいかどうか、およびその理由を上げてもらいました。 複数の理由を上げている人もいましたが、 全部取り出して集計しました。
学科に所属しているから、という意見や今は情報化が進んでいるから、 といった意見もありますが、これらは割と漠然とした意見ですね。 むしろ昔はパソコンを持っていない人はそういう意見だったように思います。
現時点で必要ない、という意見もありますが、 持っている人の使い道をみても、必ずしも必要である、 という雰囲気ではないように思います。 大学に来て大学のコンピュータを空いている時間に使えば十分かも知れません。
ちなみに、私も昔 (学生時代) は個人でパソコンを持っていましたが、 今は家にまでパソコンを持ちたいとは思いません。
コンピュータに関して勉強したいこと、をたずねましたが、 これも漠然としたもの、具体的なもの、色々ありました。 簡単に分類して、複数書いたものもすべて上げてみます。
興味深いのは、一番多かった「プログラミング」です。 プログラミングを勉強したい人は 31 名もいるのに、 現在自分で勉強している人が 5 名しかいない、 という結果になったわけですが、 現在でもプログラミングは、座学で習って覚える、 というよりも実習で理解しながら身につける、 という性格の非常に強い学問だと思います。 ところが上の結果は、勉強したいので授業で教えてもらうのを待っている、 という受身の状態に見えます。 プログラミングを本当に身に付けたかったら、 予習のつもりで積極的に自分で実習しながら身に付けるという形で どんどん勉強するのがいいのではないかなと思います。
コンピュータハードウェアやネットワーク、OS、 制御プログラムなどは専門科目で用意されていると思いますが、 もちろんこれらに関しても、もし興味があるならば 別に講義を待たずに自分でどんどん勉強したらいいんじゃないかと思います。 大学とは本来そういうところだと思います。
パソコンに関すること、というのは現在行われているコンピュータリテラシ 以外には多分あまりちゃんとはやらないと思います。 例えばコンピュータの専門学校ならば、 そういう科目を重点的にやるのかも知れませんが、 大学は 4,5 年で入れ替わってしまうような表面的な技術を学ぶ場所ではなく、 それらの基盤となる技術や理論を学び、 新しい技術に対応できる本質的な知識を身につける、 または、新しいものを作るために内部構造を詳しく勉強する、 ということを主に行います。
よって、パソコンに関するような、自分でも何らかの本を読めば 簡単に調べられるようなことは多分大学ではやりませんので、 自分で勉強してみてください。 音楽編集や、タッチタイピングも似たようなものでしょう。 ちなみに、タッチタイピングは、キーボードを見ないように (例えばハンカチで隠すとかして) して使うようにすると、 すぐにできるようになりますよ。
アンケートの最後の項目の「この講義に関して自由に」の部分に 書かれていたことを上げます。
分かりやすかった、という学生が多かったのは裏返せば、 内容のレベルが低かった、ということを意味していると思います。 まあ、専門家でない私が講義しているので、仕方ないとは思いますが、 無責任なようですが、「概論」ならこれ位でもいいのかなと感じています。
これ位の話に満足せず、もう少し詳しい話が知りたいと思ったら、 自分で (あるいはグループで) 本や資料を見つけて 勉強してもらいたいと思います。
例えばインターネットの話であれば、以下の本が参考になるでしょう。
上 (分かりやすかった)にも書いたように、 決して内容は専門的な内容ではなかったと思いますが、 私自身、この程度の話でも良く知らない人は多分いるだろう、 と思って話をしたわけで、そういう点ではよかったかなとは思っています。
ただ、本当に興味深いと感じたならば、是非自分でその先の話を
勉強してみると良いと思います。
参考書等についてはこちら (分かりやすかった)
を参考にしてください。
(2002 年度の回答を引用)
勝手が分からないので、多少今回同様とはいかないかもしれません。
(2002 年度の回答を引用)
本来情報電子の学生にとっては、これ位でためになる、 と言われてはいけないだろうと思います。 もし興味が出てきたなら、もう一段も二段も踏み込んで 先のことを勉強する努力をしてください。
「情報電子工学科」らしい内容である、という意味だと受け取りましたが、 まあそれはそんなもんでしょう。 ただし、前者 2 人の講義もそうだったはずです。 コンピュータのみが情報電子工学科らしいのではありません。 できれば視野をもっと広くしてもらいたいと思います。
もし、そうではなくて「基礎的」ではなくて「専門的」 という意味なのだとしたら、それは決してそうではないと思います。 専門のことはもっと深いのでそちらをちゃんと勉強してください。
演習形式も決して悪くはないと思います。個々の先生の方針によります。 まあ、コンピュータだと演習はやりにくいし、概論なので講義でいいかなと思って こんな形でやりたいと思います。
私は決して「割としっかりした内容」だとは思いません。 あくまで概論的な内容に過ぎず、中身のない表面的な話だと思います。 これに満足せず精進しましょう。
私の講義は速い、あるいは板書が速い/多いと言われることが多いです。 私の基礎数理 I を取っている人はわかると思いますが、 実は普段の講義と同じ位か、それより遅いペースで行ないましたし、 これ位なら十分ついて来れるスピードだと思います。 よって、ある程度はこういうスタイルなんだとあきらめてもらうしかありません。
また、大学では講義で全てを理解しようというのはかなり贅沢な態度です。
大学の講義
は本来そういうものではありません。
進度は速い、演習問題はやらない、板書も多い、
そういう大学の講義スタイルに徐々に慣れるべきだろうと思いますし、
概論にはそういう目的もあるんだろうと思います。
(2002 年度の回答をほぼ引用)
「概論」なので、これ以上詳しくはできません。それが「概論」というものです。 もっと詳しく知りたかったら自分で勉強してください (それが概論の目的の一つです)。
これは次回から気をつけたいと思います。
本来、講義に「雑談」は必要ありません。 また、私はコンピュータの専門家でもありませんから「体験談」も少ないし ためになる話を持っていません。 よって、そういうことを期待しないでください。
そう言われても答えようがありません。大学の講義はそんなもんなんですから。
まだ大学の 90 分講義に慣れていませんね。早く慣れましょう。 ちなみに、私が学生のときは 100 分講義でした。
楽しみに待っていてください。