しかし、例で示したように、ラグランジュ補間も一般エルミート補間も 実際にはそれほど簡単になるわけではなく、 むしろ従来の未定係数法で代入法や微分を用いることにより それと同等な計算が行えることも示した。 それに多分その方が余計な公式も必要なく、 わかりやすいだろうと思うので、 理論的な考察を除けば、 ラグランジュ補間や一般エルミート補間を具体的な部分分数分解に用いるのは あまりメリットがないだろうと思う。
なお、補間公式を用いる方法については、実数の範囲で分母が 1 次式にまで 因数分解されるものだけを紹介したが、 2 節や 3 節で紹介した例のように、 1 次式への因数分解に複素数が必要になる場合についても、 理論的には本稿の議論はそのまま成り立つ。 しかし、未定係数法では基本的に複素数は用いないし、 補間公式の方法で複素数を用いながら計算するとさらに大変になると想像されるが、 それを「複素数を使わない形」で計算可能かどうかについては、 多分本稿同様メリットはあまりないと思うが、 気が向いたらまた考えてみたいと思う。
竹野茂治@新潟工科大学