まず、巾乗と指数関数の積の (6) には の マクリーリン展開が含まれていて、
となる。三角関数の , の展開形式の表現は、 (14), (15) から得るか、または (17) と (19) (と加法定理) から 得ることもできるが、ここでは前者でやってみる。
まず、(13) より
の方は、(14) と (15) より、
の を に、
を にすればよいので、
なぜ、このようなマクローリン展開が含まれるのかを少し考えてみる。
マクローリン展開 の性質として、次の 2 つが容易にわかる。
これらを用いれば、例えば (24) は、右辺を微分すると、
ただし、これらはあくまで「証明」であって、 マクローリン展開が現われることの説明や理由にはなっていない。 そしてそれを考えていて、もう一つ、, , の 計算方法を見つけることができたので、まずそれを以下に紹介する。
の積分を部分積分すると、
ここから考えると、(31) の式は若干マクローリン展開の式に
似てなくもないが、実際には を代入した微分係数も含まれておらず
だいぶ違っていて、
よって , , にマクローリン展開が含まれるのは、
や , が 階導関数で
形が変わらないことによる偶然で、たまたまそのような形になっている、
と思われる。
すなわち、 ならば
そのことを示す例を一つ紹介する。 部分積分が良く使われる例として、次のようなものもある。
これも、 の方を積分する部分積分で の 次数を一つずつ下げることで積分できるものであるが、 例えば , , の場合を考えると、 (31) によりよって (31) の積分結果にマクローリン展開が含まれるのは、 微分によって形が変わらない や , だけに起こる 特別な現象であることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学