2 巾乗と指数関数の積の積分
本節では、 と の積の積分
(
1)
を考える。まず、簡単な置換により、
この積分は の場合に帰着できる。 により、
(
2)
となるからである。よってとりあえず、 の場合を考える。
部分積分
(
3)
により は、
と を一つ下げた積分に帰着でき、
これを繰り返すことで最終的に
に帰着でき、積分が終わる、というのが通常の大まかな方針である。
一方、(4) の式の両辺を 倍すれば、
となり、
(
5)
と書けるので、この階差数列から、
(
6)
という一般式が得られる。
この式の右辺は、 の 次のマクローリン展開式と、 との
積の形になっているが、それについては、5 節で
改めて紹介する。
また、(2) を考えれば、
となるので、
(
7)
となっていることがわかる。
なお、(6) は、積の微分から得ることもできる。
今、
を
(
8)
とすると、
なので、 から までの和に
を
追加すれば、
となって、これを積分すれば、
(
9)
が得られる。
これが丁度 (6) になっている。
同様のことを
に行えば、以下のようになる。
なので、
となり、よって、これを積分すれば
(
10)
が得られる。これが (7) である。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-03-12