4 微分の公式の証明
無限小の方法を用いた場合、積の微分の公式の「証明」は以下のようになる。
であり、
より
なので、
![\begin{eqnarray*}d(fg)
&=&
(f(x)+df)(g(x)+dg)-f(x)g(x)
\\ &=&
f(x)g(x)+f(x)dg+g(x)df+dfdg-f(x)g(x)
\\ &=&
f(x)dg+g(x)df+dfdg\end{eqnarray*}](img43.gif)
となるが、
は
より高位の無限小なので無視すれば、
となる。よって、
となる、といった形になる。
この証明は、2 節の最後に上げた方法と本質的に
同じであることがわかるだろう。
しかも展開により自然に積の微分の形が得られていることや、
最後の
が消える理由も、
むしろこちらの方がわかりやすく感じる人もいるかもしれない。
なお、
であることに注意すれば、上の変形は、
![\begin{eqnarray*}d(fg)
&=&
(f(x)+f'(x)dx)(g(x)+g'(x)dx)-f(x)g(x)
\\ &=&
f(x...
...x+f'(x)g(x)dx + f'(x)g'(x)(dx)^2
\\ &=&
(f(x)g'(x)+f'(x)g(x))dx\end{eqnarray*}](img49.gif)
のようにして (
は高位なので無視している)、
両辺を
で割る、とすることもできる。
同様に、商の微分の公式も以下のようにできる。
![\begin{eqnarray*}d\left(\frac{f}{g}\right)
&=&
\frac{f(x+dx)}{g(x+dx)}-\frac{f...
...x)-f(x)dg}{g(x)(g(x)+dg)}
=
\frac{g(x)df-f(x)dg}{g(x)^2+g(x)dg}\end{eqnarray*}](img50.gif)
この分母の
では
は無限小なので
に
対して無視できるから、
となり、よって両辺を
で割れば、
となる。
合成関数
の微分の公式も、
を用いれば、
![\begin{eqnarray*}d(f(g(x)))
&=&
f(g(x+dx))-f(g(x))
=
f(g(x)+dg)-f(g(x))
\\ &=&
f(g(x))+f'(g(x))dg - f(g(x))
=
f'(g(x))dg\end{eqnarray*}](img58.gif)
となり、よって、
が得られる。
竹野茂治@新潟工科大学
2015年12月7日