5 より小さい勾配への帰着
3 節で述べたように、
が 1 以下というだけではまだ不十分なので、
より小さな に帰着させることを考える。
4 節と同様にして、次は
を考える。
加法定理 (5) により、
なので、
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(7) |
が得られる。
よって、今度は と の小さい方を使えることになる。
は に対して 1 から 0 に単調減少し、
となる はこの範囲では のみである。よって、
となり、 を境に分かれることになる。
なお、丁度 のときは、
であり、よって となる。
結局、
のときは、
に対して
とすれば
と求めることができるので、
これで の計算は
の場合に帰着されることになる。
なお、実際のプログラムでは、 と とを比較する代わりに
と とを比較するようにすれば、
のような無理数の値を保持しておく必要はなくなる。
ここまでの考察によって、 の展開式 (1) は
に対して使えばいいことになるので、
例えば (1) の最初の 4 項
を使うのであれば、その誤差はその次の項 にほぼ等しく、
よってその最大誤差は
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(8) |
程度ということになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年1月18日