エルミート行列 ()、 歪エルミート行列 ()、 ユニタリ行列 ( ) は いずれも を満たし、正規行列となる。
また、「実 XX 行列」とは、「XX 行列」で成分がすべて実数のものを 指すことにする。例えば が実正規行列とは で、 を満たすことを意味し、 実エルミート行列は対称行列、実歪エルミート行列は交代行列、 実ユニタリ行列は直交行列を指すことになる。
[C] は、正規行列と、ユニタリ行列で対角化できる行列が同じもの であることを意味するが、それは [1] の定理 3.2 と 次の補題 2.1 から示される。
補題 2.1 が正規行列でかつ三角行列ならば、 は対角行列。
証明
が上三角行列の場合に示せば、下三角行列 に対しては、 は上三角行列でかつ正規行列となるので、 は対角行列となり、よって も対角行列となり、 下三角行列でも成り立つことになる。
よって、 を、
とする (上三角行列)。このとき、(2) の両辺を 倍して、 すべての に関して加え、 とすると、 左辺は、
上の証明では、(2) を 倍して加えることを
行ったが、むしろ (2) から
まず、あるユニタリ行列 により が 対角行列となったとすると、
逆に が正規行列、すなわち が成り立つとする。 [1] の定理 3.2 より、 が上三角行列となるような ユニタリ行列 が存在する。このとき、 は、
竹野茂治@新潟工科大学