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前節の方法は厳密性はあるが、証明は必ずしも学生にとって簡単ではなく、
そこで説明 (理解) の流れが切れてしまい、必ずしも近似による説明が
うまくいったとは思えない。
よって今年はそのような証明は捨て、ロピタルの定理を全面に出して
それにより近似式を逐次作成する、という方法を取ってみた。
の
の近くでの
の値は、
での接線
で近似できる。すなわち、
 |
(8) |
であることになる。右辺は
の 1 次式なので、これは
の
1 次近似式である と呼ばれる。
 |
(9) |
が 0 次近似式である。
もちろん、0 次近似より 1 次近似式の方が誤差が少なく近似が良い。
2 次、3 次の方が更に誤差が少なくなる。その 2 次、3 次の近似式を
ロピタルの定理を用いて求めてみる。
以下簡単のため
とする。
- まずは、0 次近似式の誤差を考えて 1 次近似式を得ることを考えてみる。
のとき、(9) の誤差は
であり、これはもちろん
のときに 0 に収束するが、
これと
自身とを比較してみると
は分子、分母ともに 0 に収束するので、ロピタルの定理により
となる。つまり、これは
であることを意味する。この
を右辺に移項したものが
(8) である。
- 次は 1 次近似式の誤差
を調べてみる。
と比較すると
ロピタルの定理により
となるので、
よりずっと小さい (当前でもある)。
と比較してみると
となる。これは
を意味する。これにより 2 次近似式
が得られる。
- 同様に、この式の誤差
を
と比較することで
が得られる。これにより 3 次近似式
が得られるが、これを繰り返すことでテイラー展開 (マクローリン展開)
が得られる。
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Shigeharu TAKENO
2001年 9月 14日