Next: 3 2001 年基礎数理 I
Up: taylor
Previous: 1 はじめに
(PDF ��������: taylor.pdf)
この年の基礎数理 II では、ロピタルの定理と「
次近似」を使って説明した。
まず最初に考えた説明は以下の通りである:
が無限級数
 |
(2) |
と展開されたとする。(2) に
を代入すると
(2) の両辺を微分すると
これに
を代入すると
もう一回微分して
これに
を代入すると
同様に微分して
を代入する。
これを繰り返すことで
が得られる。
ただし、これではあまりに理論がなさ過ぎ、そもそも (2) と
置く (展開する) ことの意味が分からない。
そこで、この年は「
次近似」を次のように定義して、
ロピタルの定理を使って説明を行った。なお、以下簡単のため
、
すなわちマクローリン展開を考えることとする。
定義 1
関数
に対して
が
 |
(3) |
となるとき、
は
を (
で)
次に近似する、または
次近似である と呼ぶことにする。
(3) は
は
より速く 0 に近づく
ことを意味し、すなわち
は
より 0 に近い
ことになる。
(注: これを
と書くこともある)
定理 2
,
:
回微分可能で、
,
が連続であるとき、
証明
として証明する。
(
)
 |
(4) |
と仮定する。
- (4) より
となるが、
,
の連続性により左辺は
となるので、よって
 |
(5) |
となる。
- (4) より
となるが、一方で (5) によりこの左辺は分子も分母も 0 に収束する
不定形であり、
となることが
,
の連続性によりいえる。
よって、ロピタルの定理により
 |
(6) |
となる。
- (4) の左辺は (5) により不定形であり、
も、(6) により不定形となる。そして、
となることが、
,
の連続性によりいえ、よって
ロピタルの定理により
すなわち
 |
(7) |
が成り立つ。
以上 1., 2., 3. の
(5),(6),(7), により
となる。
(
)
逆に
が成り立つとすると、ロピタルの定理により
Next: 3 2001 年基礎数理 I
Up: taylor
Previous: 1 はじめに
Shigeharu TAKENO
2001年 9月 14日