5 証明その 2

次は、 $(\infty,0/0,\beta)$ の場合の証明を紹介する。

この場合は、定理 1 の条件 3

\begin{displaymath}
\displaystyle \lim_{x\rightarrow \infty}f(x) = \displaystyle \lim_{x\rightarrow \infty}g(x) = 0\end{displaymath} (3)

であり、$f(x)$, $g(x)$$J=(K,\infty)$ で連続で微分可能、 かつ $g'(x)\neq 0$ で、$I_1=\beta$ の存在が仮定となる。

よって、任意の $\epsilon > 0$ に対して、$x>L$ のすべての $x$ に対して

\begin{displaymath}
\left\vert\frac{f'(x)}{g'(x)}-\beta\right\vert<\epsilon\end{displaymath} (4)

となるような $L(>K)$ が取れることになる。

この場合は、$y>x>L$ である $x$, $y$ に対してコーシーの平均値の定理を使うと、 $y>p>x$ となる $p$ が存在して、

\begin{displaymath}
\left\vert\frac{f(x)-f(y)}{g(x)-g(y)}-\beta\right\vert
=\left\vert\frac{f'(p)}{g'(p)}-\beta\right\vert
<\epsilon
\end{displaymath}

となる。条件 (3) より、 この式で $y\rightarrow\infty$ とすると、
\begin{displaymath}
\left\vert\frac{f(x)}{g(x)}-\beta\right\vert\leq \epsilon
\end{displaymath}

となり、よって、$x$, $\epsilon$ の任意性より $I_0$ の存在と $I_0=\beta$ が言えることになる。

これは、4 節の証明とそれほど違うわけではないが、 コーシーの平均値の定理の使い方などが少し違っていることが わかると思う。

同じようにして $(-\infty,0/0,\beta)$ の場合も証明できる。 これで、$q=0/0$, $r=\beta$ の場合のうち、 残りの 2 通りのものの証明が終わる。

竹野茂治@新潟工科大学
2015年7月20日