なお本稿では、初期値に関して次の 2 つの問題を考えることにする。
問題 1 初期値が の遠方で に十分速く減衰している場合。
(7)
この場合は、 が適当な可積分空間に属するとし、 必要ならば の微分も同様の評価を持つとする。
問題 2 初期値が に関して周期的である場合。 ある正数 があって、すべての に対し、
(8)
これら初期値は十分滑らかであるとすると、 (2) の解 も十分に滑らかとなり、 そして に対して も 問題 1, 2 のそれぞれで の遠方に減衰、あるいは に関して周期的 (同じ周期を持つ) となる。
今、初期値 の下限を , 上限を とする。
(9)
(10)
同様に、 が極小点の場合は
(11)
問題 1 の場合も問題 2 の場合も、 最大値、最小値は境界ではなく内部で取ることになるので、 そこでは極大、極小となるから、上の議論により そこで の増える方向に向かって増加、減少はできないことになる。
よって、 の値は上には を、 下には を超えることはできないので、 次が成り立つことになる。
初期値の (9) の仮定の元、 問題 1, 2 に対する (2) の解 は、 に一様に
以上が CCS の方法である。
竹野茂治@新潟工科大学