(3)
非粘性の保存則方程式 (1) は、 良く知られているように衝撃波と呼ばれる不連続解
(4)
よってこれは、右 ( 軸方向) に向かって下がる階段関数の初期値に対する 解であるが、 逆に右に向かって上がる階段関数の初期値に対する解は、膨張波と呼ばれる、 区分的に な、 で連続な関数
(5)
一般に、単独の保存則方程式 (1) は Oleinik のエントロピー条件
(6)
本稿では (6) にならい、 の場合に (2) の近似解が、 に関して一様に が上から の速さの評価を持つことを示し、 それを用いて の一様な減衰評価を求める。
なお、(2) は放物型方程式なので、 その解は より速く (例えば指数的に) 減衰することが期待される。 確かに (2) の解 はそのような評価も持つが、 上の考察によってもわかるようにそれは に依存した評価であり、 のときには保持されず、 に一様には成り立たない。
つまり、見た目には速く減衰する近似解から、 に一様な 遅い減衰成分を取り出すことが目標となる。
竹野茂治@新潟工科大学