今、 上のスカラー値関数 が、
(3.6) の解 に対し、
が 内で滑らかで、かつ 0 ではないベクトルであるとき、 内の各点 に対し、その のある 近傍 ( 上で次が成り立つ。
この命題の証明は、C.2 節で行う。
なお、この命題では 全体ではなく、局所的、 すなわち各点 の近傍 上での リーマン不変量の存在しか示していないが、 個別の保存則方程式の例では考えている領域 全体で 統一したリーマン不変量を取ることができることも多いし、 また一般の場合でも、必要なら を小さく取ることにより、 全体でのリーマン不変量が存在するようにすることも可能である。 よって以後は、 全体で滑らかなリーマン不変量が存在する と仮定して話を進める。
ベクトル場 の積分曲線上 -リーマン不変量は定数であるが、 逆に -リーマン不変量を定数にするものとして の積分曲線が 得られることを示そう。
個の -リーマン不変量 , ..., は、
, ...,
が線形独立であるから、
しかも、命題 3.1 の 1. より (詳しくは C.2 節で示す通り)、 となる関数 を追加すれば、 ,..., が線形独立となり、 よって と が 1 対 1 となるので、 不変集合 (3.11) は確かに 1 本の曲線であることがわかる。
なお、-膨張波曲線 は、
微分方程式 (3.10) の解のうち、
が増加する方向であるが、真性非線形性の仮定により
竹野茂治@新潟工科大学