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次に、偏微分方程式の数値計算法を考えてみる。
非斉次形の線形移流方程式の初期値問題
 |
(35) |
の差分近似を考える。ここで、
と
は与えられた関数と
する。現実には、初期値問題といっても、もちろん無限に広い区間全体で
数値計算できるわけではない。
偏微分も常微分の場合と同様に、前進差分
で置き換えることができる。これを方程式 (35)
に代入すると
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(36) |
となる。与えられているのは
の値と
の値である
から、この式から
での
の値を近似計算することが
できることがわかる。
すなわち (36) を変形して
 |
(37) |
とすると、この式は、
での
の近似値が、
,
での
の値と
での
の値で
求められることを意味しているので、
の近似値は
,
,
の値から求められることがわかる。
これにより
での
の近似値が求められることになる。
そして、再び (37) により
での
の近似値が、
上の
と
の値から求められ、
順に
と、次々計算されていくことになる。
ただし、
とはいっても、すべての実数
に関して
値を持ちうるわけではなく、計算機上は離散的な有限個の値しか持ち得
ない。ここでは
での値を
考えることにして
と書くことにすると、(37) による近似計算は
 |
(38) |
という、二重の添字を持つ数列
に対する漸化式を与えることになる。
このようにして
の近似値を求めることができるが、この場合、
と
との比や、前進差分を使うか後退差分を使う
かなどをうまく選ばないと、近似解の不安定現象という思わぬ結果を
招くことになる。実際、この近似計算式
(38) は、
の場合には
安定であるが、
の場合には不安定であり、差分近似としてはふ
さわしくない。
の場合には
の方を後退差分で置き換えると
安定になる。
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Shigeharu TAKENO
2001年 9月 21日