3 LF 差分
1 次元双曲型保存則方程式に対する差分近似として有名なものに、
Lax-Friedrichs 型差分 (以後 LF 差分と呼ぶ) がある:
![$\displaystyle
U^{n+1}_j
= \frac{1}{2}(U^n_{j-1}+U^n_{j+1})
-\frac{1}{2\mu}\{F(U^n_{j+1})-F(U^n_{j-1})\}$](img49.png)
(
10)
ここで
で、
は通常
が奇数のもののみを考える。
また、
は (3) の解
の
での値を近似するもの (
) であり、
よって (10) は、微分方程式 (3) を
のように差分化したものと見ることができる (
)。
以後、(10) の右辺の式を、
, あるいは
と
書くこととする:
![$\displaystyle
LF(U_L, U_R) = LF(U_L, U_R; \mu)
= \frac{1}{2}(U_L+U_R)
-\frac{1}{2\mu}\{F(U_R)-F(U_L)\}$](img61.png)
(
11)
LF 差分の
には、安定性のため通常 CFL 条件
(Courant-Friedrichs-Lewy 条件):
![$\displaystyle
\mu > \max\{\vert\lambda_j(U)\vert;\ U=U_L,U_R,\ j=1,2\}
\hspace{1zw}(= \Lambda_1(U_L,U_R))$](img63.png)
(
12)
を課す。
ここで、
なので、
であり、よって
は、
![$\displaystyle
\Lambda_1(U_L,U_R) = \max\{\vert u_L\vert+C(\rho_L),\vert u_R\vert+C(\rho_R)\}$](img67.png)
(
13)
と書ける。
の
は、
と変形できるが、CFL 条件 (12) の
もとでは、(13) より
,
となるので、
これにより
,
の両方が 0 でない限り
となることが保証される。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-02-28