1 教科書の不定積分の定義

教科書 27 ページに、ベクトル関数の不定積分が紹介されているが、 この教科書では、通常積分定数がついたものとして説明される「不定積分」が、 どうやら積分定数のない「原始関数のひとつ」として説明されているように思われる。 それは、27 ページ下から 10 行目に書かれている
\begin{displaymath}
\int\mbox{\boldmath$A$}(t)dt + \mbox{\boldmath$C$}
\end{displaymath}

の式や、28 ページの例題 3 の解答例からもわかり、 不定積分には積分定数をつけて考えてはいないようである。

しかし、そうだとすると 27 ページの下の公式はややあいまいで、 いずれの式も左辺と右辺は積分定数 (または定ベクトル) の分だけ 自由度があるので、それらをうまく合わせた上で成立する、という式になってしまう。

このような点を除くため、例年スカラー関数に対する「不定積分」と同様に、 教科書とは異なり、

\begin{displaymath}
\int\mbox{\boldmath$A$}(t)dt = \mbox{\boldmath$B$}(t)+\mbox...
...}\hspace{1zw}
(\mbox{\boldmath$B$}'(t)=\mbox{\boldmath$A$}(t))\end{displaymath} (1)

のように積分定数 (定ベクトル) のついた形として定義しているが、 この定義だと、27 ページ下の公式は、多少変更する必要がある。 それについて、以下で説明する。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年5月8日