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[2](b)

この問題の答案は、ほぼ壊滅的であった。

$\partial(-\phi f'(x))/{\partial y}=0$ などとしているもの、 なぜか $\phi$ の 2 階微分が出てくるもの、 $\phi\nabla\times\mbox{\boldmath$A$}=\nabla\phi\times\mbox{\boldmath$A$}$ などとするもの、 などの奇妙な計算をし、 単に無理矢理つじつまを合わせて両辺を等しくしている答案が多く見られた。

また、正答に近い答案でも、この問題のもっとも大事なところ、すなわち

\begin{displaymath}
\frac{\partial}{\partial y}(\phi f'(x)) = \frac{\partial\phi}{\partial y}f'(x)
\end{displaymath}

を書かずに省略しているものが見られた (これがないものは減点した)。

[1] の問題の基本的な計算ができているものにも そのようなおかしな計算が見られたが、 それらを見ると、本当に計算方法が身についているわけではなく、 本に載っているような単純な問題だけはそれをまねてやっているだけで、 正しい計算の仕方をまるで理解していない、 そして誤った自分の計算がどこが間違っているのかすら分からない、 という状態であると考えられる。 そのような回答者の大半は試験のための勉強をせず、 その場で始めて教科書やノートを開いたような程度の理解なのであろう。

無理矢理つじつまを合わせる、ということについても、 例えば途中で計算ミスや小さな勘違いを犯した場合でも、 無理矢理おかしな論理、おかしな変形を用いて等号を示した答案と、 正しい論理、正しい変形を用いて等号にならなかった答案では どちらに高い得点を与えるかは明らかであろう。 無理矢理つじつまを合わせてもよい、という姿勢に、 工学者としての資質に疑問を感じざるを得ない。


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Shigeharu TAKENO
2004年 8月 26日