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[2](a)

まずは前半の説明部分の「ベクトルポテンシャルについて簡単に説明し」について。 なぜか
$\mbox{\boldmath$A$}=\nabla\times\mbox{\boldmath$p$}$ のとき、 「 $\mbox{\boldmath$A$}$ はベクトルポテンシャルを持つという」
という説明がかなり多かった。 しかし、これは直接はベクトルポテンシャルの説明にはなっていない。 ベクトルポテンシャルの説明をするのならば
$\mbox{\boldmath$A$}=\nabla\times\mbox{\boldmath$p$}$ のとき、 $\mbox{\boldmath$p$}$ $\mbox{\boldmath$A$}$ のベクトルポテンシャルという
とすべきだろう。

このような答案を見ると、単に「ベクトルポテンシャル」というキーワードで 本を探し、そこに見つかったものを単純に書き移したと見れる。 つまりあらかじめ勉強しておらず、その場で調べただけ。 ベクトルポテンシャルが何であるのかを全く理解していない、 あるいは論理的な文章を書く能力がない、と読み取れる。

また、後半の $p(z)$ を求める問題の方であるが、それは正しくは

$\mbox{\boldmath$A$}$ がベクトルポテンシャルを持つならば $\nabla\cdot\mbox{\boldmath$A$}=0$ なので $\nabla\cdot\mbox{\boldmath$A$}$ を計算してその式 $= 0$ という方程式から導く
という方法で求めるのであるが、これもなぜか
$\nabla\cdot\mbox{\boldmath$A$}=0$ ならば $\mbox{\boldmath$A$}$ はベクトルポテンシャルを持つので」 $\nabla\cdot\mbox{\boldmath$A$}$ を計算してその式 $= 0$ という方程式から導く
という書き方をしている答案が多かった。 これも論理的におかしい。 確かに、ある場合にはかぎかっこの部分、 すなわち逆の命題も成り立つのであるが、 その理屈から $\nabla\cdot\mbox{\boldmath$A$}=0$ を計算するのはおかしい。 その場合には単に一例としての $p(z)$ を計算しているに過ぎないことになる。

このような答案を見ると、 単に答案のパターンとしてしか文章を書いておらず、 論理的にものを考えることができるのか疑問を感じる。


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Shigeharu TAKENO
2004年 8月 26日