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[3](b)

二重積分を累次積分に直して計算するところで、

\begin{displaymath}
\int_1^2\int_0^1(\ldots)dudv = \int_0^1[\ldots]^{u=2}_{u=1}dv
\end{displaymath}

のように書いている答案がかなりあった。これは累次積分の書き方が逆で、

\begin{displaymath}
\int_0^1\int_1^2(\ldots)dudv = \int_0^1[\ldots]^{u=2}_{u=1}dv
\end{displaymath}

と書くべきである。 インテグラルと $du$, $dv$ の対応は、内側は内側、外側は外側に対応する。 そのようになっているのにはちゃんと理由があり、元々累次積分の

\begin{displaymath}
\int_a^b\int_c^df(x,y)dxdy
\end{displaymath}

という書き方は、

\begin{displaymath}
\int_a^b\left\{\int_c^df(x,y)dx\right\}dy
\end{displaymath}

の中カッコを省略した書き方であり、そこからこのような対応規則が定められている。

なお、数学ではそのような「カッコを省略した」書き方、というものが色々あり、 例えば 2 階微分の $y''$$(y')'$ のカッコを省略したものだし、 $d^2 y/dx^2$ という記号も、分子と分母で 2 のつく場所が違っているのは、 元々この記法が

\begin{displaymath}
\frac{d}{dx}\left(\frac{dy}{dx}\right)
\end{displaymath}

のカッコを省略してできた記法であるためで、 そうすると分子は $d$ が 2 つ、分母は $dx$ が 2 つの積であるように見える、 というところから来ているためである。 $z$$x$,$y$ の順に 2 回微分したものは、$z_{xy}$ と書いたり $\partial^2 z/\partial y\partial x$ と書いたりするが、 この $x$,$y$ の順序が逆になるのも同じ理由、 すなわちカッコを省略した書き方である、というところから来ている。


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Shigeharu TAKENO
2004年 8月 26日