4 平均自乗誤差

$P_1\sim P_5$$r$ との近さをはかる尺度として、 誤差評価でよく用いられる平均自乗誤差を計算してみる。 $f(r)$$g(r)$ ($a\leq r\leq b$) の 平均自乗誤差 (以後 $E$ とする) とは、
\begin{displaymath}
E=\left\{\frac{1}{b-a}\int_a^b(f(r)-g(r))^2dr\right\}^{1/2}
\end{displaymath}

で定義されるものであり、関数解析学では $L^2$ ノルム と呼ばれている3。 これを $P_1\sim P_5$ に対して計算してみる。

$P_j$ に対する平均自乗誤差を $E_j$ ($1\leq j\leq 5$) とすると、 グラフから、

\begin{displaymath}
E_2=E_3,\hspace{1zw}E_4=E_5
\end{displaymath}

となることが予想されるが、一応すべて計算してみることにする。 まずは $E_1$ から。
\begin{eqnarray*}E_1^2
&=&
\int_0^1(r-P_1)^2dr
=
\int_0^1\left(r-\frac{\lflo...
... \frac{1}{3R_M^2} \frac{R_M}{2(R_M+1)}
=
\frac{1}{6R_M(R_M+1)}\end{eqnarray*}


よって、$E_1$
\begin{displaymath}
E_1=\frac{1}{\sqrt{6R_M(R_M+1)}}
\end{displaymath}

となる。

次に $E_2$

\begin{eqnarray*}E_2^2
&=&
\int_0^1(r-P_2)^2dr
=
\int_0^1\left(r-\frac{\lflo...
...^3}\sum_{k=1}^{R_M+1}\int_0^1 t^2dt
 &=&
\frac{1}{3(R_M+1)^2}\end{eqnarray*}


よって、$E_2$
\begin{displaymath}
E_2=\frac{1}{\sqrt{3(R_M+1)^2}}=\frac{1}{\sqrt{3}(R_M+1)}
\end{displaymath}

となる。$E_1$ と比較すると、
\begin{displaymath}
E_1^2-E_2^2
=
\frac{(R_M+1)-2R_M}{6R_M(R_M+1)^2}
=
-\frac{R_M-1}{6R_M(R_M+1)^2}
<0
\end{displaymath}

より、$E_1<E_2$ である。

$E_3$ は、

\begin{eqnarray*}E_3^2
&=&
\int_0^1(r-P_3)^2dr
=
\int_0^1\left(r-\frac{\lflo...
...{R_M+1}\int_0^1 (t-1)^2dt
 &=&
\frac{1}{3(R_M+1)^2}
=
E_2^2\end{eqnarray*}


となるので、確かに $E_3=E_2$ となっている。

次は $E_4$

\begin{eqnarray*}E_4^2
&=&
\int_0^1(r-P_4)^2dr
=
\int_0^1\left(r-\frac{\lflo...
...2}\right)^2dt
 &=&
\frac{1}{12(R_M+1)^2}
=
\frac{1}{4}E_2^2\end{eqnarray*}


となるので、$E_4=E_2/2$ となる。

最後に $E_5$

\begin{eqnarray*}E_5^2
&=&
\int_0^1(r-P_5)^2dr
=
\int_0^1\left(r-\frac{\lflo...
...left(t-\frac{1}{2}\right)^2dt
=
\frac{1}{12(R_M+1)^2}
=
E_4^2\end{eqnarray*}


となるので、確かに $E_5=E_4$ となる。

$E_5$$E_1$ を比較すると、

\begin{displaymath}
E_1^2-E_5^2
=
\frac{2(R_M+1)-R_M}{12R_M(R_M+1)^2}
=
\frac{R_M+2}{12R_M(R_M+1)^2}
>0
\end{displaymath}

より、$E_1>E_5$ となる。

よって、結果として、

\begin{displaymath}
E_2=E_3>E_1>E_4=E_5
\end{displaymath}

となることがわかる。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年5月31日