4 平方和に関する条件
次は、(6) の条件を に
関する条件に書き直す。この式に (7) を代入すれば、
(14)
となり、両辺とも
の 2 次式なので、
それが恒等式となるような係数の条件が求める条件となる。
まずは、(14) の左辺 を計算する。
展開すると、
の形になるが、 の係数 は、和の部分から出てくるのは、
番目が , それ以外の 個は 1 なので、
となる。 の係数 は、和の部分から出てくるのは、
番目と 番目が 、それ以外の 個は 2 なので、
となる。よって、
となる。これは、行列 , 列ベクトル
を
(15)
とすると、対称行列 に関する 2 次形式
(16)
の形に書くことができる。
一方、(14) の右辺 ( とする) は、
と書けるので、
とすると、
となる。よって、(14) は
となり、これが
に関して恒等的に成り立つためには、
が条件となる。
一方、
となるので、
となり、よって、 は と同じことになり、
そしてこれは (13) とも等しい。
すなわち、正規性と独立性の条件 (13) によって、
(14) も自動的に得られることになり、
結局 の満たすべき条件は が直交行列になること、となる。
これを満たす はたくさんある。例えば、
(17)
も一つの解となる。
で紹介した例 (4), (5) も
ほぼこの解と同じで、 の方は と を入れかえて、
を 倍すれば上の形になる。
以上により、一般の () に対して (3) が示されたことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-08-23