軸を見ると「対数的」というよりもむしろ「指数的」にも見えるが、 なぜこれを「対数軸」と呼ぶのであろうか。
今、対数軸上の実際の値、すなわち対数軸の目盛りに沿った値を とし、 軸の目盛りとは無関係な、見かけ上の位置を とすると (図 2)、
の増え方に対して は指数的に増加する。 例えば図 2 の場合、 と の関係を式で 表せば となり、逆に見れば、見かけの位置 は
(1)
実際の値 () を、対数を取った見かけの位置 () に配置することとなる。 このように、値を対数的に配置するので「対数軸」と呼ばれているのである。
なお、普通の軸でも、軸の目盛りの値を 2 倍にすれば、位置は 1/2 倍になるし (図 3)、
目盛りを 2 増やせば、位置は 2 左にずれる (図 4)。このように、軸の目盛りの値を変更することは、 位置を逆に動かすことに相当するので、 軸の目盛りを指数的に変化すると、 見かけの位置は逆に対数的に移ることになるわけである。
竹野茂治@新潟工科大学