2 設定と目標

まず、(1) が意味することと、示すべきことを明確にしておく。 全微分の式 (1) が意味することは、数学的には次のことである。
  1. $z$$x$$y$ の 2 変数関数である ($z=f(x,y)$)
  2.   $\displaystyle
\frac{\partial z}{\partial x} = \frac{\partial f}{\partial x} = P,\hspace{1zw}\frac{\partial z}{\partial y} = \frac{\partial f}{\partial y} = Q
$ (4)
その結果として、

$\displaystyle \Delta z \doteqdot P\Delta x + Q\Delta y
\hspace{1zw}(\Delta x\doteqdot 0,\hspace{0.5zw}\Delta y\doteqdot 0)
$

の一次近似も得られるのだが、 本稿では、(4) から (2)、 すなわち、$z=f(x,y)$$x$ について解いて $x=g(y,z)$ としたとき、
  $\displaystyle
\frac{\partial x}{\partial z} = \frac{\partial g}{\partial z} = ...
...}\frac{\partial x}{\partial y} = \frac{\partial g}{\partial y} = -\,\frac{Q}{P}$ (5)
となることを示すことが目標となる。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-04