まず、
が
と解けたと仮定するが、
解けることは、例えば
を満たしていれば可能である (厳密には陰関数定理)。
そしてこの場合、
と
は同じ式を意味することになるので、
一方に他方を代入した、

(
6)
は
の恒等式で、

(
7)
は
の恒等式になることに注意する。
これは、少し具体例で説明する。「
の恒等式」とは、
すべての
について成り立つ式、という意味で、
「方程式」とは異なる。
例えば、

(
8)
という関数の場合、これを
について解いたものが
なので、
より、

(
9)
となる。
さて、この (9) を (8) に代入すると、
となり、確かにすべての
に対して (6) となるし、
逆に (8) を (9) に代入すれば、
となり、すべての
に対して (7) となることが
わかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-06-04