3 1 変数関数の場合

この節では、問題 1 をまず 1 変数関数の場合について考えてみる。 そしてこの場合は、容易に次が成り立つことが示される。


命題 2

すべての $x$ で定義されている関数 $g(x)$ が 十分滑らか (例えば $C^2$ 級) であり、 $g'(x)=0$ となる $x$$x=a$ しか持たず、 そこで $g(x)$ が極大 (極小) となる場合、 $g(a)$ は最大値 (最小値) となる。


証明

極小、最小の方は同様に示されるので、極大、最大の方のみを示す。 $g(a)$ を超える値があったとして、すなわち、 ある $x=b$$g(b)>g(a)$ となったとして矛盾を導くことにする。 また、$b<a$ の場合も同様であるので、以後 $b>a$ であるとして考える。

$x=a$$g(x)$ は極大となるので、$a$ の十分近くの $x$ では $g(x)<g(a)$ となっているはずなので、

\begin{displaymath}
g(a)>g(c)\hspace{1zw}(a<c<b)
\end{displaymath}

となる点 $c$ を一つ取る (取れる)。このとき、
\begin{displaymath}
g(c)<g(a)<g(b)\hspace{1zw}(c<b)
\end{displaymath}

であるから、連続関数の中間値の定理により、
\begin{displaymath}
g(a)=g(d)\hspace{1zw}(c<d<b)
\end{displaymath}

となる点 $d$ が存在する。 よって、ロルの定理 (または平均値の定理) により、
\begin{displaymath}
g'(e)=0\hspace{1zw}(a<e<d)
\end{displaymath}

となる点 $e$ が存在することになる。 しかし、これは $g'(x)=0$ となる $x$$x=a$ のみであることに矛盾する。


1 変数関数の場合、極大値 $g(a)$ よりも大きい値 $g(b)$ がある場合、 $x=a$ から $x=b$ までは $g(a)$ よりも値が一旦下がってから $g(b)$ に上がらなければならず、 よって減少から増加に転ずる折り返し点があるはずで、 そこで $g'(x)=0$ となってしまう (証明の $e$ がその折り返し点に相当する) から、$g'(x)=0$ となる点が一つしかなければそれは起こり得ない。 よって極大が最大であることがちゃんと言えるのである。

竹野茂治@新潟工科大学
2008年12月14日