2 用語
まずこの節では、前節でも出てきた用語等について確認しておく。
詳しくは、適当な微分の教科書 (偏微分の部分) を参照すること。
また、以後 は、すべての実数 , について定義されていて、
十分滑らかであるとする。
が で 極大 (極小) であるとは、
の十分近くの とは異なるすべての に対して
となることを言う。
また、 で 最大 (最小) であるとは、
すべての に対して、
であることを言う。
1 変数の場合と同じで極大、極小は局所的な性質であり、
最大、最小は大域的な性質である。
が の 停留点 であるとは、
が成り立つことを言う。これは 1 変数関数の場合の に相当し、
このような点が極の候補となる。
極の判別は、凸性を調べることで行うことができ、それについては
たいていの教科書に書いてある次の事実を用いる。
命題 1
, , とするとき、
- かつ ならば
は で下に凸 (すなわち、 平面のどの方向に対しても下に凸)
- かつ ならば
は で上に凸 (すなわち、 平面のどの方向に対しても上に凸)
- ならば方向によって
凸性が入れ変わる
よって、まず停留点を求め、
そしてそこでの , , の値を求めて、
と の符号で極の判別をする、というのが
標準的な方法であり、停留点では、
命題 1 の 1. であれば極小、
2. であれば極大、
そして 3. であれば
極ではない (鞍点 と呼ばれる) ことが言えることになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2008年12月14日