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2 0 の 0 乗

ごくたまに、$0^0$ は 0 ですか、と聞かれることがある。 実際には不定形なので、$0^0$ と書かれると何とも答えようがないが、

\begin{displaymath}
\lim_{x\rightarrow +0}x^x
\end{displaymath}

ならば極限を持つ。これは次のようにして求めることができる。

$y=x^x$ の極限を考える代わりに $\log y=x\log x$ の極限を考える。すると ロピタルの定理により

\begin{eqnarray*}
\lim_{x\rightarrow +0}\log y
& = & \lim_{x\rightarrow +0}x\l...
...{\displaystyle -\frac{1}{x^2}}
= \lim_{x\rightarrow +0}(-x) = 0
\end{eqnarray*}

となるので、

\begin{displaymath}
\lim_{x\rightarrow +0}y = \lim_{x\rightarrow +0}x^x = 1
\end{displaymath}

となる。

古い話になるが、私が大学 1 年のときの解析のテスト問題の一つに、 この極限をロピタルの定理を「用いずに」求めよ、という問題が出たことがある。 興味のある人は考えてみるといいだろう。

(追記)
上記をもって、$0^0=1$ と誤解してはいけない。最初にも述べたように、 $0^0$ は不定形であって 1 ではない。 すなわち、$x>0$ で定義された関数 $f(x)$, $g(x)$
\begin{displaymath}
f(x)>0 ,\hspace{1zw}\lim_{x\rightarrow +0}f(x)=0, \hspace{1zw}\lim_{x\rightarrow +0}g(x)=0\end{displaymath} (1)

を満たす場合に、 $\lim_{x\rightarrow +0}f(x)^{g(x)}$ の値は一定値には収束しない (上に紹介したのは、単に $f(x)=g(x)=x$ の場合の話)。 例えば、$f(x)=x$, $g(x)=p/\log x$ ($p$ は 0 以外の定数) とすれば これは (1) を満たすが、

\begin{displaymath}
\log f(x)^{g(x)} = g(x)\log f(x) = \frac{p}{\log x}\log x = p
\end{displaymath}

すなわち $f(x)^{g(x)}=e^p$ であるから、 $p$ により 1 以外の任意の正の値を取りうる。

また、$f(x)=e^{-1/x}$, $g(x)=-\sqrt{x}$ とすればこれも (1) を満たすが、

\begin{displaymath}
\lim_{x\rightarrow +0}f(x)^{g(x)}
= \lim_{x\rightarrow +0}\...
...)^{-\sqrt{x}}
= \lim_{x\rightarrow +0}e^{1/\sqrt{x}}
= \infty
\end{displaymath}

のように $\infty$ にもなりうる。 よって $f(x)^{g(x)}$ の値は一つには決まらず、$0^0$ は不定形である。
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竹野茂治@新潟工科大学
2006年3月5日