3 部分積分を利用する方法
一般の
に対して
を求める方法として、
(高校などで) 最も普通に紹介される方法は、
部分積分を利用して漸化式を作る方法だと思われる。
に対して部分積分を用いると、
![\begin{eqnarray*}J(k)
&=&
\int\cos^k x dx
=
\int\cos^{k-1} x\cos x dx
=
...
... x)' dx
&=&
\cos^{k-1}x\sin x-\int(\cos^{k-1} x)'\sin x dx\end{eqnarray*}](img53.gif)
となるが、合成関数の微分により
とすれば、
となるから、
![\begin{eqnarray*}J(k)
&=&
\cos^{k-1}x\sin x + (k-1)\int\cos^{k-2} x\sin^2 x d...
...x(1-\cos^2 x) dx
&=&
\cos^{k-1}x\sin x + (k-1)(J(k-2)-J(k))\end{eqnarray*}](img58.gif)
となる。よって右辺の
を左辺に移項すれば
となるので、
![\begin{displaymath}
J(k)=\frac{k-1}{k} J(k-2)+\frac{1}{k} \cos^{k-1}x\sin x\hspace{1zw}(k\geq 2)\end{displaymath}](img61.gif) |
(9) |
が得られる。これに、
![\begin{displaymath}
J(0)=\int 1 dx=x+C,\hspace{1zw}
J(1)=\int \cos x dx = \sin x+C\end{displaymath}](img62.gif) |
(10) |
を組み合わせれば、帰納的にすべての
が得られることになる (奇数の
も含めて)。
例えば、
,
は以下のようになる。
2 節の最後に述べたように
は
から求めることができる。
![\begin{eqnarray*}I(0,4)
&=&
I(0,4)(x)
=
-I(4,0)(t)
=
-J(4)(t)
&=&
-\f...
...ac{3}{8} x-\frac{3}{8}\sin x\cos x+\frac{1}{4}\sin^3 x\cos x+C_2\end{eqnarray*}](img75.gif)
また、
なども、途中で上の
を使えば、
![\begin{eqnarray*}I(6,4)
&=&
\int\cos^6 x\sin^4 x dx
=
\int\cos^6 x(1-\cos^2...
... -\frac{11}{80} \cos^7 x\sin x +\frac{1}{10} \cos^9 x\sin x + C\end{eqnarray*}](img77.gif)
のように求められる。
この方法は、公式 (9) さえ作ってしまえば楽なのだが、
公式 (9) を作るために一旦一般の
に対して部分積分を行わなければならない、
という点が難点ではないかと思われる。
竹野茂治@新潟工科大学
2010年3月12日