7 おわりに

ここでは、すべて (3) を元にして考えたが、 これは本質的に不定積分の原理と同じであり、 記号としての積分を使ってないだけで実際には積分しているのと変わらない。

また途中の手法も、微分方程式の一般論を使用しないといいつつも、 実際には実質的に微分方程式の解法と同じものがいくつか使われているので、 目新しい話ではない。

それに、方程式から発見的な方法で解を見つける、というよりも、 解も先に提示した上でその途中経過を探す、というだけの話なので、 そういう点でも興味は薄いだろう。

しかも、微分方程式の一般論を使えばもっとすっきり話ができるので、 ここに上げているのはそういう意味ではさして面白みもないものだろうと思うが、 微分を履修中の学生の疑問に答える形で書いてみると どうなるかを考えてみたものであり、 一応そういう意味ではそれなりの一つの回答になっているのではないかと思う。

竹野茂治@新潟工科大学
2008年7月6日