が のラプラス変換の 収束点 であるとは、
命題 A
この命題 A が成り立てば、収束点が存在することは容易にわかる。
「 が収束 のすべての に対し は収束」
前節の , , の 3 つの範疇でそれぞれ命題 A が 成り立つかどうかを考える。実は の範疇での命題 A が一番易しい。
が に対して証明
に対して
仮定、および (6) より、
次は の範疇で考える。
とし、 であるとする。 この場合、広義リーマン積分になるのは のみである。 今、
とすると、 は連続で、また仮定より は収束し、よって は で有界となる。 このとき、, に対し とすると、が に対して
に対して
最後は の範疇での収束点の存在。 , とする。 の除外集合を とし、 , および (3) の を取る。 仮定より、広義リーマン積分
ちなみに、この を全部つないで作った関数
, に対し、
が に対してよって、3 種類の積分の範疇いずれでも命題 A が成立することがわかり、 収束点が存在することが示された。
に対して
さらに、今の証明の (14) の に関する
極限を式にすれば、, に対し、
もちろん、 のように、 どんな に対してもラプラス変換が存在しないような の関数もある。 上に示したことは、一点でも収束すれば、ということなので、 こういうことが起こらない、ということを示したわけではないことに 注意が必要である。なお、この場合は収束点は と考える。
また、逆に のようにすべての に対して ラプラス変換が存在する場合もある。この場合は収束点は と 考える。
竹野茂治@新潟工科大学