4.3 相互作用がある場合
次は近づく波が含まれ、相互作用がある場合を考える。
以後、この節では簡単のため、 の場合に限定して証明を行う。
一般の の場合の証明は、[Yong], [Dafermos] などを参照のこと。
の場合は、
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(4.37) |
であり、これを , に関してテイラー展開する。
まず、 のときは
なので、
となり、
よって、
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(4.38) |
となる。また、 のときは、
なので、
より
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(4.39) |
であることがわかる。
よって、(4.8) を展開すると
その 1 次の項は となる。
そして、(4.9), (4.10) より
と書けるが、この右辺を次のように分ける:
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(4.41) |
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(4.42) |
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(4.43) |
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(4.44) |
しかし、
の波はすべて近づかないので、
補題 4.3 より、
となり、よって
(4.9), (4.10) より は
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(4.45) |
となる。
は、
と変形できるので、
に対して、
とすると、
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(4.46) |
と評価できる。
は、 と が近づかなければ、
補題 4.3 より
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(4.47) |
であり、近づく場合は と同様に
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(4.48) |
となる。同様に も、 と が近づかなければ、
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(4.49) |
近づく場合は、 と同様に
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(4.50) |
となるので、
(4.11),(4.16),
(4.17),
(4.18), (4.19),
(4.20), (4.21)
により、結局定理 4.1 が得られることになる。
なお、[Yong] には
を求めることにより、
(4.1) よりも詳しい評価式
が示されている。
この (4.22) によれば、
2 次の項は の波の相互作用のみであり、
で近づく波 (同じ特性方向の波) の相互作用の影響は
実際には 3 次以上の項であることがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年1月18日