4.2 相互作用がない場合
まず、相互作用がない場合、すなわち
である場合を考えるが、
その前に を , の式として表しておく。
今、
なので、
となり、よって
と書ける。
しかも、
であるから、
その途中の解はすべて
に入っている。
補題 4.2
, がどちらも衝撃波でない場合は
|
(4.33) |
となる。
証明
とすると、これが衝撃波ではない、
つまり膨張波か接触不連続の場合は
|
(4.34) |
を満たす。今、
|
(4.35) |
とすると、
を満たすので、微分方程式 (4.5) の解の一意性により、
|
(4.36) |
となる。
よって、(4.6), (4.7)
より (4.4) が得られる。
補題 4.3
, に近づく波が含まれない場合、
すなわち 0 でない と は、
すべて か、または でかついずれも衝撃波ではない場合は
となる。
証明
この場合、, は
の形であり、 から , から の途中の状態を
とすると、
例えば の場合は、
であり
左から 番目の状態を として
から までそのまま
という波でつながる。 の場合も
で、左から 番目の状態が で
という波で から までつながる。
と が 0 でない場合も、
仮定によりその両方が衝撃波ではないので、
補題 4.2 により、
となり、よって と を 番目の波で
としてつなげることができ、
となる。
図 4.3:
|
よって、いずれの場合も
が成り立つ。
この補題 4.3 は、
近づかない波には相互作用が起こらず、そのまま平行移動して並べれば
それでつながるということを意味している。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年1月18日