4 膨張波と衝撃波の衝突
本節では、
の、 から出る衝撃波と から出る膨張波が衝突するとき、
および の、 から出る膨張波と から出る衝撃波が
衝突するときを考える。
まずは前者から。
,
とする。 の速度
(13)
は、 の左端の速度 とは、Lax 条件により
なので、これらは確かに衝突する (図 3 左)。
図 3:
衝撃波-膨張波
|
その衝突点を とすると、
(14)
より、
(15)
となる。
衝突の先では、 の右側では、 の値は に沿って連続的に増え、
の左では のままなので、
の方が右の値より大きい間は衝撃波が続くことになり、
すなわち、 を につながる曲線の衝撃波 が
切断する形で進んでいくことになる (図 3 右)。
この を求める。 は Rankine-Hugoniot 条件 (10) を満たす必要があり、
左側の値は
、
右側の値は (5) より、
となるので、 は、
(16)
という微分方程式の解となる。
これを解くために、 に沿った の の値を
(17)
とすると、(6) より
(18)
となるので、これを微分すると
となるので、(16) を の方程式にすると、
(19)
となる。今、
(20)
とすると、
(21)
であり、これにより (19) は、
と書ける。よって、これを解くと、
となり、
, (13), (15) より
となるので、
となり、よって、(19) の解は、
(22)
となる。
ここで、 なので、(21) より は
では , では増加、
では減少なので、
という方程式は、 に対して
という解を持ち、
(23)
となる。これが の 2 つの逆関数で、
は に関する減少関数、
は増加関数となる。
例えば、 の場合は、
より、 の解は、
となる。
この を用いれば、
より (22) は
と解け、よって は増加関数で、
,
となる。
よって、(18) より、 は
(24)
となる。
例えば の場合は、
となる。
は から に対し から まで
増加し、(16) より
および なので、 も増加し、
から まで変化する。
よって、 ならば は と交差しながら
無限に伸びるが、
ならば で止まり、
そこで
となり、
では衝撃波
が に
つながって続くことになる (図 3 右)。
この は以下を満たす。
次に、 で膨張波と衝撃波の並びが逆の場合を考える。
この場合は、上と丁度対称な形で解が作られる。
単純波は
、 の速度は
(25)
で、 の右端と との衝突点 は、
となる。 から出る曲線衝撃波 は、
に対して
より、
となって
より、
となる。 は
,
の減少関数、
も
,
の
減少関数となる。
なら は無限に伸び、
なら はある場所 で止まり、
では
が につながる解となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2024-02-21