5 1 単位分の解

前節の結果を用いて、有界変動でない初期値に対する解の例を構成する、 1 単位分の解を作る。それは、初期値
  $\displaystyle
u_0(x)=\bar{u}_0(x;\delta,A,H)
=\left\{\begin{array}{ll}
A+H &...
...A & (-\delta<x<0)\\
A+H & (0<x<\delta)\\
A & (\delta<x)
\end{array}\right.$ (26)
に対するエントロピー解 $u=u(t,x;\delta,A,H)$ である。 ここで、$\delta>0$, $H>0$ であり、$[A,A+H]$$f$ の定義域に含まれると する。

小さい $t>0$ では、初期値から $S_1=S(A+H,A;0,-\delta)$, $R_2=R(A,A+H;0)$, $S_3=S(A+H,A;0,\delta)$ が生成し、 それらが先の $t$ で衝突して大域的なエントロピー解が構成されることになる。

左側では $S_1$$R_2$$(T_1,X_1)$ で衝突して $x=\sigma_1(t)$ の 曲線衝撃波 $S_4$ が発生し、 右側では $R_2$$S_3$$(T_2,X_2)$ で衝突して $x=\sigma_2(t)$ の 曲線衝撃波 $S_5$ が発生し、 そして $x=\sigma_1(t)$$x=\sigma_2(t)$$(T_3,X_3)$ で衝突し、 そこから $S_6=S(A+H,A;T_3,X_3)$ の衝撃波が発生する (図 4)。

図 4: 一単位分の解
\begin{figure}\begin{center}
\setlength{\unitlength}{0.18mm}
\begin{picture}...
...(T_2,X_2)$}
\put(350,-130){$(T_3,X_3)$}
\end{picture}
\end{center}\end{figure}

$S_1$, $S_3$, $S_6$ は、左右の $u$ がいずれも $A+H$, $A$ なので、 同じ速度の衝撃波であることに注意する。

竹野茂治@新潟工科大学
2024-02-21