6 B(1)n の
有界性と極限
次は の有界性と極限について考察する。
本節でも、5 節同様最後の部分積分の手前の式 (57) を利用する。
まず、(9) より
となるので、
(75)
とすると、 は
(76)
となる。
(75) の前半部分については、
5 節の議論が利用できるが、
(9) より には特異性があり得るので、
の借用は 程度に留め、
残りが に関して であるようにする必要がある。
一方 (75) の後半部分の の方であるが、
こちらは の や に比べて一つ
特異性の次数が高いので、 から 程度を
借用する必要がある。実は部分積分の境界値のため、
別な借用が必要な項も出てくる。いずれも残りの部分には有界性はなく、
に関して しか確保されない。
まずは の借用から。
と分けると、命題 1 より、
となり、
とすると
この最後の式は となる。
命題 1 より は連続で、
(77)
となる。ここで、 は
(78)
とした。これらにより を部分積分すると、
(61), (77) より
となる。
この最後の式を
とする。
部分積分の境界値である
は、
さらに から を借りれば、
(
) とすると
と書けるので一様有界であることがわかる。
さらに、 では
なので、
のときに
これは 0 に収束する。
また、
の方は、, が で オーダーだから、 の場合と同様に、
からさらに
を借りれば
が一様有界となり、
(79)
となる。
一方 は 5 節の (64) より
なので、
を借りた
が
一様有界となり、
となる。
以上をまとめると、 は、
に分けられ、
と
が一様有界で、
となる。なお、 は、命題 1 により、
となるが、(31), (32) より
なので は連続かつ可積分な関数となる。
命題 5
は、
のように、 に関して の項と一様有界の項の積に
それぞれ分けることができ、その極限は
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2023-04-03