5 B(0)n の
有界性と極限
本節では、 の一様有界性と、
その
に関する極限を考える。
なおここでは、, の
最終的な展開式 (36), (42) を
用いるのではなく、最後の部分積分を実行する前の式 (25), (26) を利用し、
の式変形と の性質により、
最後の部分積分で現れる強い特異性を回避する方向で考える。
まず (25), (26) の の部分を
それぞれ
(56)
と書くことにすると、, は
(57)
となり、 を
(58)
と書き表すと、 は、
となる。なお、以後本稿を通して
(60)
とする。この の有界性と極限を考える。
(59) を
のように分けて考える。
命題 1 より、
となる。ここで
とすると、
命題 1 より は連続で、
(61)
となるので は部分積分できて、(61) より
となる。ここで、
なので、置換積分により、
(62)
となる。
一方、 に関しては、
となるが、以後一般に
に対して
(63)
と書くことにする。なお、
となることに注意する。これにより、
となるので、
(64)
となる。よって (62), (64) より、
(65)
となる。
(58) にあるように、 には に 倍があるから の評価では と
考えてよい。
このとき、
に対して
となり、
で、
また では なので、
(65) は
に対して
(66)
となるように見える。
しかし、 は の近くで有界ではないので、
そこは細かく考える必要がある。
ここでは、
と
置いて、
(67)
とする。なお、 は の近くでは有界ではないが、
そこでは命題 1 より対数オーダーで、
よって に対して
(68)
となる定数 が取れる。
もし (66) の極限が正しいとしても、
は 、すなわち の近くでは
有界ではないので、
単独では一様有界とはなり得ない。そこで、
の の積に含まれる から () を借りてきて、
これを用いて有界性を考えてみる。
なお、 は例えば とすればよい。
より
であり、
より なので、
(69)
として、
(70)
の 2 つに分けて考える。
では、
なので、
とできる。ここで、
とした。
これにより、
と評価される。
この最後の積分は、 より (68) を用いれば、
となるから、
(72)
となり、よって
, 上 は に関して一様有界であることがわかる。
なお、
は
なので、
ならば有界である。
の方は、 が の近くでなければ
有界なので、
ならば
と評価できるが、
では (68) より、
となり、よってすべての
で
となるので、
と評価でき、これも一様有界となる。なお、
は、
である。
(72), (73) により、
の一様有界性が保証される。
次は極限。まず であるが、(71) で考えると、
は であり、 では であり、
なので、
となる。
よって、 は 0 に収束する。
は、
とすると、
より
となり、 は で、
,
であり、
は、
より有界で
となるから、
Lebesgue 収束定理より
となる。ここで、
なので、以上をまとめると、
は一様有界で、
に対して、
(74)
となる。
命題 4
は
,
上 に関して一様有界で、
に対し、
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2023-04-03