99.39 ラベル (label)

set label コマンドを使うことによって任意の見出し (label) をグラフ中 に表示することができます。

書式:

     set label {<tag>} {"<label text>"} {at <position>}
               {left | center | right}
               {norotate | rotate {by <degrees>}}
               {font "<name>{,<size>}"}
               {noenhanced}
               {front | back}
               {textcolor <colorspec>}
               {point <pointstyle> | nopoint}
               {offset <offset>}
               {nobox} {boxed {bs <boxstyle>}}
               {hypertext}
     unset label {<tag>}
     show label

位置 (<position>) は x,y か x,y,z のどちらかで指定し、座標系を指定する にはその座標の前に first, second, polar, graph, screen, character をつけます。詳細は、以下参照: coordinates (p. [*])

タグ (<tag>) は見出しを識別するための整数値です。タグを指定しなかった 場合未使用のもので最も小さい値が自動的に割り当てられます。現在の見出し を変更するときはそのタグと変更したい項目を指定して set label コマン ドを使います。

<label text> は文字列定数でも構いませんし、文字列変数、または文字列の 値を持つ式でも構いません。以下参照: strings (p. [*]), sprintf (p. [*]), gprintf (p. [*])

デフォルトでは、指定した点 x,y,z に見出しの文章の左端が来るように配置 されます。x,y,z を見出しのどこに揃えるかを変更するには変数 <justification> を指定します。これには、left, right, center の いずれかが指定でき、それぞれ文章の左、右、真中が指定した点に来るよう に配置さるようになります。描画範囲の外にはみ出るような指定も許されま すが、座標軸の見出しや他の文字列と重なる場合があります。

箱枠付きのラベルをサポートする出力形式もあります。以下参照:set style textbox (p. [*])。回転させた文字列の箱付けは、すべての出力形式が可 能なわけではありません。

rotate を指定するとラベルは縦書きになります。rotate by <degrees> を指定すると、文字列のベースラインを指定した角に設定します。ただし、文 字列の回転をサポートしていない出力形式もあります。

フォントとそのサイズは、出力形式がフォントの設定をサポートしていれば font "<name>{,<size>}" で明示的に選択できます。そうでない出力形式で は、デフォルトのフォントが使われます。

通常は、現在の出力形式がサポートしていれば、ラベル文字列の全ての文字列 に拡張文字列処理モード (enhanced text mode) が使用されます。 noenhanced を使用することで、特定のラベルを拡張文字列処理から外すこ とができます。これは、ラベルが例えばアンダースコア (_) を含んでいる場 合などに有用です。以下参照: enhanced text (p. [*])

front が与えられると、見出しはデータのグラフの上に書かれます。back が与えられると (デフォルト)、見出しはグラフの下に書かれます。front を使うことで、密なデータによって見出しが隠されてしまうことを避けること が出来ます。

textcolor <colorspec> は見出し文字列の色を変更します。<colorspec> は 線種、rgb 色、またはパレットへの割当のいずれかが指定できます。 以下参照: colorspec (p. [*]), palette (p. [*])textcolor は、tc と省略可能です。

  `tc default` は、文字色をデフォルトにします。
  `tc lt <n>` は、文字色を線種 <n> (line type)と同じものにします。
  `tc ls <n>` は、文字色を line style <n> と同じものにします。
  `tc palette z` は、見出しの z の位置に対応したパレット色になります。
  `tc palette cb <val>` は、色見本 (colorbar) の <val> の色になります。
  `tc palette fraction <val>` (0<=val<=1) は、[0:1] から `palette` の
      灰色階調/カラーへの写像に対応した色になります。
  `tc rgb "#RRGGBB"`, `tc rgb "0xRRGGBB"` は、任意の 24-bit RGB 色を
      設定します。
  `tc rgb 0xRRGGBB` も同じです (16 進定数値には引用符は不要)。

<pointstyle> がキーワード lt, pt, ps とともに与えられると (以下参照: style (p. [*]))、与えられたスタイルと、与えられた線種の色で見出し位置に 点 (point) が描画され、見出し文字列は少し移動されます。このオプション は mouse 拡張された出力形式でのラベルの配置に、デフォルトで使用され ています。見出し文字列近くの点の描画機能を off (これがデフォルト) にす るには、nopoint を使用してください。

その移動は、デフォルトでは、<pointstyle> が与えられれば pointsize の 単位で 1,1 で、<pointstyle> が与えられていなければ 0,0 です。移動は、 追加の offset <offset> でも制御できます。ここで、<offset> は x,y か または x,y,z の形式ですが、それに座標系を選択して、その前に first, second, graph, screen, character のいずれかをつけることもでき ます。詳細は、以下参照: coordinates (p. [*])

もし一つ (あるいはそれ以上の) 軸が時間軸である場合、座標は timefmt の書式にしたがって引用符で囲まれた文字列で与える必要があります。以下参照: set xdata (p. [*]), set timefmt (p. [*])

set label に関して有効なオプションは、描画スタイル labels でも有効 です。以下参照: labels (p. [*])。この場合、textcolor, rotate, pointsize の属性の後ろにキーワード variable をつけて、それらを固定値でないよう にすることが可能です。その場合個々のラベルの対応する属性値は、using 指定の追加列により決定します。



Subsections
竹野茂治@新潟工科大学
2020-12-08