まず、問題をもう少し明確にする。
今、 平面上に
という直線を取る。
1 節で を
の関数とみて、
の変化によるグラ
フの移動という考察を行ったが、それと同様に考えてみる。
すなわち、この
平面上の直線
を
座標についてみれば、
これは各
に対し一つの
の値、すなわち
軸上の一点を表していて、
それが
の変化につれて動いているとみなすことができる。
すなわち、
は
軸を動く点の座標を表していると考えられる。
そうすると、この点は時刻 で
を出発し、
もし、解が (8) のようになるのだとすると、これは
1 節でみたように のグラフを速度
[cm/秒] で右に
平行移動しているものだから、この点の上での
の値を調べると、平
行移動していくグラフを同じ速度で動く点で値を見ることになるから、時間の
変化に対して、その値は変化しないように見えるであろう。
逆に、速度 で移動するどの点でみても
の値が変化していなければ、
それはグラフの形を変えずに速度
で平行移動しているものといえるだろ
う。このようなやりかたで考えてみる。
この直線上の点での の値を
とおく。
上の議論の中で主要な役割を果たした直線 は、この方程式
(7) の 特性曲線 (characteristic curve) と呼ばれ
る。より一般の定義は後で与える。
この を色々な値と取ることにより特性曲線は無数に作ることができる。
上の証明中でも、
を任意の実数と取ることができる、という部分がある
が、すべての実数を動かすと、その
を出発点とする特性曲線の集まりは
平面上の、ある一つの方向に平行な直線の集まりとなり、これら全体は
平面の考えている領域全体を埋めつくす。
これにより、領域内の任意の点 に対して、これを通る特性曲線の出発点の
座標が
とただ一つ求まり、
の値は特性曲線の上で変わらないので
つまり、上の議論の鍵となったのは