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以下では、Tartar ([13]) による、
単独の保存則方程式の初期値問題
 |
(2) |
に対する補完測度法を用いた弱解の存在証明を、
Chen ([22]), Chen-Lu ([24]) による改良に基づいて
紹介する。
ここで、
、
は
に関して
関数
であると仮定し、
とする。
例えば
のときはこの方程式は非粘性 Burgers 方程式
となる。
この方程式の近似解として、粘性近似方程式
 |
(3) |
の解
(
) を取ることとする。
なお
は、
を
に依存した
パラメータで適当に平滑化した十分滑らかな関数であるとし、
に関して一様に
で、
の時に
となるものとする。
命題 1
このとき、適当な滑らかさを持った (
3) の
解

が存在し、
 |
(4) |
を満たす。
証明
[23] による。簡単のため、
を
と書くこととする。
は
となる位十分に平滑化しておく。
とし、
を考えると、
より
に対しては
となるので
は内部で最大値を取る。それを与える
を
とする。
図 1:
|
このとき、
で極大であるので
であり、(3) より
となるので、
となる。これと (5) とは、
が
では
方向には増加しないことを意味する
ので、よって
は
に関して非増加となり、
が言える。同様にして、
も言え、最初の不等式が示される。
また、方程式
を
倍すると
と書ける。これを
上積分すると
となるが、
は
,
より
となるので
であり、
なので
も
なので
であり、
また、
より
であるから
のとき
となる。
よって
となるので、結局
となり、これにより
が得られる。
次に、初期値問題 (2) の弱解を定義する。
定義 2

が初期値問題 (
2) の

での
弱解 であるとは
任意の

に対して
 |
(6) |
を満たすこと。
注 3
ただし、保存則方程式においては、弱解の一意性は成り立たないので、
通常は一意性のためにエントロピー条件と呼ばれるものを満たす弱解を考える。
3 節で述べた近似解の極限は、いずれもその条件を満たすことが
知られている。
に対して粘性近似解
を (6) の左辺に
代入する (それを
とする) と、
となるが、仮定により
に関して
で、また命題 1 と
Schwarz の不等式により
なので、結局
となる。
一方、
の汎弱コンパクト性:
「
ならば
ある部分列
とある関数
があって
と
,
の一様有界性により、
ある部分列
、ある有界な関数
,
があって
となるので、
において
とすると
となる。
よって、もし
 |
(7) |
が言えれば
が弱解となる。しかし、一般にこれは明らかではない。
例 4
とすると、任意の
に対して
Riemann-Lebesgue の定理により
となり、これは
を意味する。一方、
より、
となるので、
であり、すなわち
であることになる。
この例からも分かるように、一般に
でも
とは限らない。
しかし、この
を
を用いて記述する
ことを可能とする Young 測度と呼ばれるものがある。
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Shigeharu TAKENO
2001年 12月 17日