5 斜円錐の場合

次に斜円錐の場合を考える。 ただし、[2] に合わせ、 まずは底面は楕円
\begin{displaymath}
\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq 1\hspace{1zw}(a>0, b>0)
\end{displaymath}

であるとし、頂点は $\mathrm{P}(p,q,h)$ ($h>0$) であるとする。

この場合は、 $\mathrm{Q}=\mathrm{Q}(t)$ は、

\begin{displaymath}
\overrightarrow{\mathrm{OQ}(t)}=(a\cos t,b\sin t,0)\hspace{1zw}(0\leq t\leq 2\pi)
\end{displaymath}

とパラメータ表示できるので、
\begin{displaymath}
\mbox{\boldmath$q$}(t)=\overrightarrow{\mathrm{PQ}(t)}=(a\cos t-p,b\sin t-q,-h)
\end{displaymath}

となる。よって、
\begin{displaymath}
\mbox{\boldmath$q$}'(t)=(-a\sin t,b\cos t,0)
\end{displaymath}

であるから、
\begin{eqnarray*}\mbox{\boldmath$q$}\times\mbox{\boldmath$q$}'
&=&
(a\cos t-p,...
...in t,b\cos t,0)
\ &=&
(bh\cos t,ah\sin t,ab-bp\cos t-aq\sin t)\end{eqnarray*}


となるので、
\begin{displaymath}
\frac{\vert\mbox{\boldmath$q$}\times\mbox{\boldmath$q$}'\ver...
...(ab-bp\cos t-aq\sin t)^2}}{%
(a\cos t-p)^2+(b\sin t-q)^2+h^2}
\end{displaymath}

となるから、$r=r(t)$, $\theta=\theta(t)$ は、
$\displaystyle r(t)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \sqrt{(a\cos t-p)^2+(b\sin t-q)^2+h^2},$ (14)
$\displaystyle \theta(t)$ $\textstyle =$ $\displaystyle \int_0^t
\frac{\sqrt{h^2(b^2\cos^2 t+a^2\sin^2t)+(ab-bp\cos t-aq\sin t)^2}}{%
(a\cos t-p)^2+(b\sin t-q)^2+h^2} dt$ (15)

となる。

問題は、(15) の積分であるが、 これは、[2] p12 (17) の積分に分母をつけた形であるから、 その積分より易しくはないことが容易に想像される。 実際この積分も、一般には [2] (17) の積分と同じく 楕円積分になっていて、 初等的な関数でその積分を表すことはできない。 次節で、[2] の 7 節と同様の計算を行いながら それをざっと紹介する。

竹野茂治@新潟工科大学
2009年9月18日