4 一般の錐体の場合の極座標公式
3 節の錐体は、円錐を斜めに切ったものであり、
この場合は展開図は簡単に極座標表示できたが、
斜円錐、すなわち底面が円で、
頂点がその中心の真上にない点である錐体の場合は、
展開図を与える式はそのように簡単にはならない。
それは、 のパラメータ と
展開図の極座標の中心角 との間に (3) のような簡単な関係式が成り立たないからである。
本節では、まず一般的な錐体に対してその と の関係式を求め、
展開図の極座標による表現式を与えることを考える。
まず、 上の点をパラメータ を用いて
(
) で表し (
)、
とし、その母線の長さを
とする (図 6)。
そして、側面を母線
で切り開いた展開図は、
頂点 を原点に合わせ、
を 軸に合わせ、
曲線 に対応する展開図の曲線を とし、
上の点 に対応する展開図上の点を
とする (図 7)。
この を極座標表示することを考える。
今、
とすると、まず
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(7) |
であり、そして
を決めるもう一つの条件は、
上の弧
の長さが、
上の弧
の
長さに等しいことであり、それは、
と書けるので、この両辺を で微分すれば、
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(8) |
となる。この (7), (8) と、
初期条件
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(9) |
によって
、すなわち
が決まることになる。
を極座標 , で表すことを考え、
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(10) |
とすると、 と を で表すことができる。
その を消去すれば、展開図 を の形の
極座標で表すことができることになる。
まず、(7) より
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(11) |
であり、
とすると、(10) より、
となるので、
より、(8) から
|
(12) |
となる。
ここで、(7) より、
であるから、これを微分すれば
となるので、
と書ける。よって (12) より
となるから、題意より なので、
となり、 より結局 は
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(13) |
と表されることになる。
この (11), (13) から を消去する、
あるいは , のパラメータ による表現により
が得られるわけであるが、
この積分 (13) の計算は必ずしも易しくはないことに注意する。
今、3 節の例にこれを適用してみよう。
この場合は、(6) の右辺が
なので、
簡単のため、
とすると
であるから、
であるから、
となる。よって、 より
となるので、(13) より
となり、
確かに 3 節の (3) が得られることになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年9月18日