また、[2] では、0 から までの定積分であったが、 今回の (15) は 0 から までの定積分、 つまり実質的に不定積分の計算なので、 積分範囲は外して、不定積分の変数変換の計算のみを行う。 ただし、厳密には、 の範囲によっては 0 から までの積分を 2 つ、 4 つなどと分けないといけないのであるが、 そういう話もほぼ省略する (一つだけ紹介する)。
(15) で、, とし、 それを不定積分の形に書いたものを とすると
(16)
しかし、本来は なので、 とす場合は、 の場合と の場合に分けて考え、 後者の場合は積分を 0 から までの積分と から までの積分の 2 つに分けた上で置換する必要がある。 これが、この節の冒頭に書いた「厳密には積分を分けて考えないといけない」 という話である。 ただ、分けた積分でもほぼ同じ置換を行うので、 不定積分の計算では本質的には分けて考える必要はない。
さらに、 とした上で と置換すると、 より、
この被積分関数は、 とすると、
以上により、 が楕円積分に帰着されることがわかり、 (15) は一般には初等関数で 表すことはできないことがわかる。
竹野茂治@新潟工科大学