6 最後に

本稿では、(1) に関連して、 $\sin$, $\cos$$2\pi$ の等分角に対する和や積に関する公式などを 紹介した。これらが一応元の質問に対する回答になるかと思う。

なお、$I_0$ と似ているが、$I_0$$\cos$ に変えた

\begin{displaymath}
J_0 = \cos\mbox{$20^\circ$}\cos\mbox{$40^\circ$}\cos\mbox{$80^\circ$}
\end{displaymath}

の方は、倍角の公式の繰り返しによって容易に、
\begin{eqnarray*}J_0
&=&
\frac{\sin\mbox{$20^\circ$}\cos\mbox{$20^\circ$}\cos...
...sin\mbox{$20^\circ$}}{8\sin\mbox{$20^\circ$}}
\ =\
\frac{1}{8}\end{eqnarray*}


と変形できるので、元の質問者はこれと似た方法、 あるいは同程度の易しい回答を期待していたかもしれないが、 そうだとすると、$I_0$ はそれとはだいぶ構造は違うため、 かなり難しい話になってしまったので、 これは期待通りでの回答ではなかったかもしれない。

ただ、この問題に関連して、私も色々な公式を見ることができたし、 質問者にも元の問題の背景にある一般的な数学的構造が 多少でも見えてくれれば、それでよいのではないかと思う。 さらに、これらが何かの参考になれば幸いである。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年12月8日