7 最後に

本稿では、sinc 関数の $n$ 乗の広義積分をまねて、 それを一般化したものを紹介したが、 比較的簡単そうに見える式でもあるし、 広義積分の初等的な計算例としてそれなりに意味はあるのではないかと思う。 $n+m$ が偶数か奇数かで最後の形が大きく変わる点も、 興味を持ってもらえるかもしれない。

なお、この手の広義積分の値は、公式集を見ればだいたい載っていると思う。 [6] も紹介したが、他にも手近なところでは、 [9] の 2.5.3 には (2) の $m$ 乗を、 一般の $\alpha$ 乗にしたものが書かれているし、 [10] の 56 には $I_{2n+1,1}$, $I_{n,n}$ の値、 および $m$$\alpha$ にしたもの ($n=1$) が書かれている。

気が向いたら、$m$$\alpha$ にしたものも本稿の続きとして 書いてみようと思う。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-12-17