まずは 1. から示す。 この場合は、 とし、 の左端を , の左端を とし、 の を反転させたものを とすると、 で、 は のいずれか、 は のいずれかで、
次は 2. この場合は、 とし、 の右端を , の右端を とし、 の を反転させたものを とすると、 で、 は のいずれか、 は のいずれかで、
次は 3. この場合は、1. と同じに , , , , を 取ると、
最後は 4. この場合は、2. と同じに , , , , を 取ると、
この補題 3 に従い、最大値の場合と同様に の並びを ジグザグに決めていけば最小値を与える並びを得ることができる。
まずは から考える。 最大値の場合と同様に を考えると、 補題 3 の 1. により を最小にするには の左端には を置くとよいことがわかる。
すると になるので、次は
なお、これは補題 3 の 2. の形でもあるので、 の右端、 すなわち の左端 ( でいえば左から 2 番目) に を 先に置いてもよいが、とりあえず端からジグザグ順に埋めることとし、 ここでは を先に の右端に埋めることにする。
これで となるが、 これは、補題 3 の 4. を反転させた形なので、 を最小にするには、 の左端は と決まる。 そしてさらに に対しては 補題 3 の 2. により、 の右端が と決まる。
これらの手順を繰り返すことで、 を最小にする並べかえ は、
なお、上でも触れたように補題 3 の 2. と 3. の適用順を変えれば、 左端 2 つを先に と決定し、次は右端 2 つを と 決定する、という形の「2 つずつのジグザグ順」に並べていくことも 可能である。 なお、いずれにせよ 4 回で 1 セット、 といった並べ方になっていることに注意する。
最後に の最小値を考える。
これは、最大の場合と同様、(14) のようにして を に帰着させて考えるのであるが、 しかし最大の場合とは違い、 の最小値を与える並び (15) は、 の最小値を与えない。
は巡回的なので、左端は任意の に固定できるので、 左端を とする。
この場合、(14) をそのまま使えば、 上の の最小の場合 から始めたのとほぼ同じ状態と 見ることができる。よって、この場合の を 最小にする並びは
なお、今は の左端を と固定して考えたが、 次にこれを に固定して考えてみる。 この場合、
これは、並びだけ見れば (16) と同じもののようであり、 の同じ最小値を与えることは 一見明らかなように見える。
しかし、注意しなければいけないのは、その並びを決定する順番の違いであり、 (16) の方は左端の が最初で 次が右端の 、という順であるが、 (17) の方は右端の が最初で 次が左端の 、という順になっていて、 並びは同じようであるが順番は逆になっている。 ということは、この 2 種類の並べ方の最後の方で並び方がずれてしまわないか、 違ってしまわないか、をちゃんと確認する必要がある。
手順は 4 つで 1 セットなので、 が 4 で割りきれる場合、4 で割って余りが 1, 2, 3 のそれぞれの場合、の 4 通りで調べればよい。 簡単のため で考えてみる。 これで同じであれば、これ以上 を増やしても 4 つのセットが 追加されるだけなので同じである。
まず の場合、(16) に従って 左端から並べる。置く順番は、左端から
の場合は、 (16) の方は
の場合は、 (16) の方は
結局、 の方は、最小を与える並びは (16) で、並べかたは右から先でも左から先でもよいが、 端からジグザグ順に並べていったもの、であることがわかる。
と の最小値は、異なる並びで最小を与えることになっている。 これは、最大値の方が、なるべく大きいもの同士を かけるようにしているのに対し、 最小解は逆に大きいものには小さいものをかけるようにして 大きくならないようにしていることに由来する。
の場合は両端に一番大きいもの ( と ) を置くことで、 それらにはそれぞれ一番小さいもの ( と ) をひとつかけた 積 1 つだけを作るようにしているのに対し、 巡回型の の場合は両端に と を置いてしまうと、 それらの積が入ってしまうので小さくならず、よって (16) では 巡回的に大きいものと小さいものが順番に並ぶようになっている。 そのため と の最小を与える並び方が違っているわけである。
竹野茂治@新潟工科大学