単振り子は、長さ の細長い軽い棒の端に質量 の重りをつけ、 もう一方の端を原点に置き、抵抗なく左右に揺れる状態にしたときの 重りの動きを考える (図 1)。
なお、棒の代わりにひもで考えることが多いが、 重りの揺れが大きい状況も考える場合、 ひもだとそれが一直線であり続けることの保証が難しいため、 本稿では変形しない棒でつなぐこととする。 棒の重さは無視し、摩擦などもないとする。を時刻、重りの位置を 、 棒の鉛直下向きに対する角を 、 棒が重りを引く張力を 、 とする。 このとき、棒の角度から、
となり、重りの運動方程式は、 を重力加速度とすると となる。(1) より、一方、(4) は 1 階の方程式だが、 以外の未知関数 も含まれるので、 それだけで解くことはできない。 よって通常は (3) を考える。
揺れ が小さい場合は、 なので、 (3) は、
の解で近似できる。(5) は 2 階線形常微分方程式なので容易に解くことができ、 とすれば、 の単振動の解が得られる。この解の振動周期 は、 となる。次節以降では非線形の方程式 (3) の解、 および周期などを考えていく。
竹野茂治@新潟工科大学