2 パラドックスであることの説明
まずは、(1) が
数学的にどういうパラドックスであるのかを説明しておく。
- もし、(1) の『』の部分が正しいとすれば、
クレタ人は嘘つきなので、
この (1) の『』を言ったクレタ人も嘘つきであり、
よって『』は嘘だから、
「クレタ人は嘘つきではない」ことになるので、不合理となる。
- もし、(1) の『』の部分が正しくないとすれば、
クレタ人は嘘つきではないので、
この (1) の『』を言ったクレタ人も嘘つきではなく、
よって『』は本当のことだから、
「クレタ人は嘘つきである」ことになるので、不合理となる。
よって、(1) の『』が正しいとしても正しくないとしても
不合理となってしまうので、パラドックスになる、という話である。
竹野茂治@新潟工科大学
2007年10月29日